探究者は我が道を往く。

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第1話 この世界のよくある話。

「ふむ。ならば交渉しようか」


「うう、わかりました。何を望まれますか」


「なに簡単な事だ。我の都合の良いスキルを用意してくれればいい」


「で、ですからこの多くのスキルの中からお選び下さいと何度も」


「そんなものはいらん。貴様が用意するのは我の考えたスキルだ。既存の物など、ごめん被る」


「そ、そんな」


「いいから貴様の権能で今すぐ作れ」


「いったいなにを」


「解析・分解・構成・構築・再構築だ」


「え?そんな初歩技能を?スキルとしても派生してませんが」


「我は自分で創りたいのだよ。いいから寄越せ」


「あ、はい。では%*%~♪%>~$$&リリース」


 体が光輝き、力が染み込んでいく感覚を覚える。


「ふむ。少し試すぞ」


「え?あ、はい。どうぞ」


 我は早速この空間と目の前にいる自称女神を解析していく。


「うむ。思ったより時間がかかるな」


「そりゃあ私だってスキル創るときは大変なんですからね」


「そうなのか?ふむ。悪かったな。色々我が儘を言った」


「いえ、いいんです貴方を巻き込んだのは私の責任ですし、ここには時間の概念は無いのですから好きなだけ試してください。」


「ふむ。そうか。すまんがそうさせて貰う。」


「はい。終わったら呼んでください」


「ああ、それまで好きにしてくれ」


「はいはい」


 ◇


 全くどんだけ上から目線なのかしら。こっちも悪いと思ったから下手に出ただけで私の方が権能は上なのよ!まったく。嫌になっちゃう。あ、そうだ難易度どうしようといっても最高難易度設定しかないか。ふふ。あの人も最高難易度で伸びきったその鼻へし折られてしまえばいいのに。


 ◇


〈バージョンがupしました〉

〈バージョンがupしました〉

〈バージョンがupしました〉

〈バージョンが……〉


 ◇


「ふむ。成る程そういう事か。興味深いな」


「ね、ねえ。今良いかしら」


「ああ、なんだ」


「そう言えば貴方を送る場所に難易度設定があるのだけれど」


「最高難易度」


「え?」


「最高難易度」


「え?い、いいの?」


「ふん。どうせ最初からそうなのだろ。貴様らはいつもそうだ」


「でもでも、今回は私のミスもあったから」


「だが、そこで貴様が手心を加えれば貴様も処罰されるだろ」


「な、何故それを」


「ふん!知れたこと、この世界はずっとそうではないか」


「……」


「ふむ。切りが良いな。終わったぞ」


「ごめんなさい」


「なにいつまでも気にするな」


「ありがとう。いってらっしゃい」


「ああ、世話になった」


 体が粒子となり飛ばされる。


 ◇


 はあ、行っちゃった。でもすぐに戻って来るわよね。何せ最難関世界の極悪迷宮の最下層だもん。どれだけ持つのか楽しみね。そのプライドいつまでもつのかしら。ふふ。

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