悪夢、また悪夢、痛い苦しい気持ち悪い。
悪夢、また悪夢、痛い苦しい気持ち悪い。
今、午前二時四十四分、同居人には気付かれてない。
また霊装で音消してる、目も鼻も蛇口状態、はよ止まってくれないだろうか?
あ、やっべえ今幻覚見えた、姉さんがいた?
幻覚だよね実際にいたわけじゃないよねやばい吐きそう。
やめてやめて違う、キサラギはキサラギだから、その名前で呼ばないで。
あ、まずいまずいこの間SNSでうっかり姉さん見かけたから、幻覚と幻聴が超リアル。
なんでキサラギ今日記かけてるの? いや書いてないと発狂しそうだから頑張って指を動かしているというわけですよ??????
あ、やべえ今度は両親と弟くんの声まで聞こえてきた。
姉さんの精霊達の鳴き声も聞こえる。ごめんなさい、キサラギにあなた達の主人を務めるのははじめっから無理で無茶苦茶だったのに。
あれ? これ本当に現実? 実は幻覚に苦しむ夢だっていうオチだったりしない?
だったら早く醒めて?
あ、やばい。
あの時の笑い声が、手が、手が手が手が手が手が手が手が手が。
さわらないで。
くちのなかがきもちわるい、からだじゅうがいたい、ここどこ、夢じゃなければ箒星荘、今感じてる全部が幻覚幻聴その他。
霊装がなかったらご近所迷惑どころじゃない絶叫を上げてた、今落ち着いたけど滅茶苦茶痛かった、今もあれ、いたい?
きたない。
過呼吸から復帰、どうしようなかなか落ち着かない。
なんかいまぴーって。
火龍に起こされた同居人に宥められてやっと幻覚幻聴その他症状が治まった。
久々にクッソ重いのがきたな、悪夢はそこまで珍しくないけど幻覚幻聴は最近滅多に見なくなったのに。
治まったあとは同居人の抱き枕にされて寝た、あまりよくは眠れなかったけど、少なくとも安心感はあった。
朝になって起きて、朝支度を終えた後に首輪がカタカタしてたので解放してみたら、夕顔姫が青い顔で謝ってきたので、どういうこっちゃって聞いてみたら、今日キサラギが悪夢を見たのははわたくしのせいだって。
今日見た悪夢、夕顔姫との感応現象のせいだったらしい。
キサラギと夕顔姫は契約しているわけじゃないけど、創造物と作り手という契約とはまた違う縁ができているらしく、そのせいで感応現象が起こったようだって。
……そういや茨姫(二号機)が完成した日も悪夢を見た事を思い出す。
茨姫(初号機)が完成した時は日常的に悪夢を見てたから、そういう関連性があることには気付いてなかった。
茨姫(初号機)はともかく茨姫(二号機)がおとなしくキサラギに従っている理由がようやくわかったって夕顔姫は言ってた。
あんな酷い目にあった少女を、放っておけるわけがないって。
嫌なものを見せてしまった事を謝ると、夕顔姫はキサラギは何も悪くないって。
でもなあ……あんなのを急に見せられたらたまったもんじゃないと思うんだよね。
ちなみに幻覚その他に関しては感応現象は関係ないと思う、あれは単純に悪夢を見たせいっていうのと、うっかりSNSで姉さんを見かけたせいだと思う。
姉さん、元気そうで何よりだとは思うけど、あんまり顔見たくないし声も聞きたくない……
悪夢と幻覚がよりリアルなものになるんだよね、姉さんは何一つ悪くないのに。
しばらくSNSは見ないようにしとこうか……テレビはそもそもないから大丈夫だろうけど。
でもなあ、好きな漫画家さんとか写真家さんのは見たいから……近日悪夢と幻覚見る覚悟で姉さん関連全部ブロックしといたほうがいいかも。
それでも不意打ちは防げないんだろうけど。
ちなみに姉さんと家族その他はすでにブロック済み。
姉さんが一般人だったらここまで苦労せずにすんだのに……いろんな意味で。
……まあもう仕方ないと諦める、姉さんが生きてたっていうのがわかった時点でいずれこうなるのは目に見えてたし、それでも死ぬのをやめたのはキサラギの選択だ。
苦しみたくないのなら死ねばいい、それでもそれなら一緒に死んでやると言った馬鹿を道連れにはしたくなかったから、まだ生きてる。
随分と話がずれたので軌道修正を。
互いに謝りあってるところで同居人がこう口を挟んできた、それならお前(夕顔姫)の仲間の器を作るたびに、キサラギが悪夢を見る羽目になるのか、って。
確かにその通りである。
ならもう作らせるわけにはいかないと同居人は言った、あと九回も悪夢を見られるわけにはいかないって。
確かに九回も確定で悪夢を見る羽目になるのは避けたい。
感応現象が起こらないという可能性も一応あるし、起こさない方法も探せばあるのかもしれないけど……
夕顔姫は苦しそうというか悩ましそうな顔をしていた、確かにあのようなものを何度も見せることになるのは心苦しいって。
でも自分の仲間達が今も魂のまま苦しみながら彷徨っているという現状はどうにかしたいらしく、歯がゆそうな感じの顔してた。
キサラギ以外に代わりの肉体作れる人間って他にいたりしないんだろうかって聞いてみたら、そういう力を持つ人間は滅多に生まれないって言われた、千年に一度とは言わないけど二、三百年に一人生まれるかどうかっていうレベルらしい。
そんなレベルなのかって思わず頭を抱えた、もっといろよ他にも。
あとなんかやな話も聞いちゃった、稀少な力だからいろんな人に狙われやすいだとか、やろうと思えば生きてる精霊の身体も弄くれるから悪用しようと思えばいくらでも悪用できるとか。
だから人に知られたら面倒なことになるから知られないようにって忠告された。
絶対に人に知られないようにしようと思う、これ以上何かあったらキサラギもだけど同居人がもたないから。
そのあたりまで話をしたあと、一旦打ち切りとなった。
日記を書いている今でも今後どうすべきかは決められていない。
あの悪夢を見てまで夕顔姫達の仲間を助ける義理はキサラギには多分ない。
そこまでする必要はないとは思っているのだけど、放置するのもなんか嫌なんだよね。
どうすりゃいいんだろ。
と、まあここでぐだぐだ悩んでも仕方がないので今日あったことをさらっと書いていく。
話が終わったのは昼前だったので昼食の準備を、今日は冷うどんを食べた。
その後キサラギは在庫の補充をしていた、同居人が何してたかは知らないけど、あんまりちょっかいかけてこなかったから多分寝てた。
夕方に夕食の準備を……しようと思ってたら同居人にお前は先に風呂入ってろって脱衣所に押し込められたので仕方なく風呂に入った。
風呂から出た後に同居人が作った親子丼を食べた、後片付けはキサラギが引き受けた。
その後雑用をぱぱーっと終わらせて今に至る。
そんなに遅い時間ではないので、今から感応現象について調べてみようと思う。
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