4にゃす「にゃすへの物資」
早速電車を乗り継いで街に出た。
一本目は八分、二本目は五分と乗車時間は短いが、乗り継ぎで少し時間がかかった。
母へのお返しはあまり重くならないよう、ちょっとお洒落な調味料にした。
紙袋に入れてもらったが、どういう形が運びやすいかは相談してみようと思う。
母への買い物が思ったより早く終わったので、少し早めのランチが出来るお店を探した。
大通りから、枝葉のように路地が広がり、お洒落なカフェやイタリアンが並ぶ。チェーン店もラインナップは一段上だ。
平日の私なら、バエる店を探すだろう、もしくはビーガンとか。そして隣の女子とわいわい写真をとってSNSにアップする。
別に嫌いじゃない、楽しいとも感じてる。でも、休日の私はとにかく癒しを求めているのだ。そんなことを考えながら、人通りの少ない小さなお店に入った。
あれから物資、というキーワードのことを考えていた。
単純に猫の一種だと過程すると、キャットフード系とか、今流行りの流動系おやつとか。物の怪なら御供物?妖怪だとなんだろう、もしや魂をとか、何か代償を払えとかあの顔で脅してくるかもしれない。
そのシーンを想像して顔がにやけたところに店員がオーダーを取りに来た。
気まずい。
少し幅広の一人がけソファに深く座り、通りを眺める。店内の一人がけソファは全て窓側を向いており、うまく通りを歩く人と目線が合わないように、ガラスに模様が入っていたりオブジェが飾ってあったりする。
物資もどれくらい必要だろうか。
にゃす一人、もとい一匹が荷物と物資を持って行けるのかと考えると、限りがあるだろう。もしかしたら小切手とか通販で購入、電子マネーで請求とかあるかも、と妄想が膨らむ。
「なんか、おにぎりとか食べてたら可愛いのに」
呟きなながらくすりと笑うと、店員さんが料理を運んできてくれていた。すみません。
さっとご飯を食べ、一応物資を購入して家路に向かった。
今日も帰りは一駅分歩いて帰る予定だ。帰ったら玄関に集荷希望と貼ろう、そう思うと自然と早歩きになった。
途中、白いもふもふを発見したが、猫だった。こちらには見向きもせず、てくてくと生垣に入っていった。
この前も、猫特集を見ていたら、同じ現象が起きた。猫がにゃすに見える病気かもしれない。
にゃすが枯渇してる自分に気づいた。
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