しんしんと

時計の音が

時間が今も確実に過ぎていることを

胸に刻みつけるように

残酷なほど、くっきりと響く


小さくともした灯りの下で

わたしは冷めてしまった珈琲の

温もりにしがみつくように

カップを両手で抱えている


夜が深くなって

足先から寒さが沁みいるようで

溜息は白くけぶ

心許こころもとなさが指先を震えさせる


往く道の先にあるものも知らず

それでも、それでも、と

ちっぽけなこの身を励まし励まし

明日もまたこの道を歩く

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