最後の一冊

レースのカーテンに

洗濯物の影が映って揺れている

遠くに車の音、午後三時半


積んでいた本の最後の一冊

一文字ずつをゆっくりと

刻むように惜しむように


拾った落ち葉の栞が

もろく朽ちてしまうまでに

読み終わるには早すぎて


沈んでいく太陽

あかの葉をかざせば

葉脈がわたしの血脈に透けて重なる

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