散りゆく木の葉

あの日

蝉の声を背にして、ただ歩き続けた

あの日

土砂降りの中を空を仰いで立ち尽くした

あの日

木枯らし吹く階段を前だけ向いて上った


そして、今

散りゆく木の葉を踏みしめて歩いている


この『今』も

いつか『あの日』になるのだろう

それが堪らなく哀しい


散りゆく木の葉は止められず


いつだって

季節はこうして移り変わっていくのだ


時は残酷なほどに

当たり前の顔をして奪っていく


人の心だけを置き去りにして

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