「鍍金硝子」「きいてわたしのこえ」

「鍍金硝子（メッキガラス）」


助けはこないさ

今までだってこなかったし

これからだってこない

できることは歩き続けることだけだ

この自分の二本の足で


現実から目を逸らすな


強がり、めいっぱい

鉄のオンナ？

いいや　せいぜいが鍍金（メッキ）をかけた硝子

パリンと割れるまで往くしかないじゃん


剥げかけた鍍金（メッキ）晒しながらでも


◆◆◆


「きいてわたしのこえ」


聴こえる笑い声

いつか見た風景

てくてくと歩き続ける


わたし　ひとり

ただ　何処までも長い道

知らない家の

覗（のぞ）いた窓の中


ここにも　わたしはいない

永遠（えいえん）の醒めない夢をみている

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