英雄譚大賞講評

白銀の騎士と漆黒の太后 〜ギュスタヴ・サーガ〜

白銀の騎士と漆黒の太后　〜ギュスタヴ・サーガ〜 - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054895853948

　不思議の国の英雄譚

　主人公のベイクは次元のゆがみに入り冒険が始まる。まるで不思議の国のアリスのように。そこで出会った数々の仲間と共に太后を打ち倒します。まさに王道英雄譚。

　それにしてもこの主人公強い。出てくる敵をばったばったと切り倒す。無敵の英雄。どうして呪いなんて受けたんだ？と思わずにはいられないほど強いです。やってしまえ、ベイク。との期待を全く裏切りません。なので、英雄譚としてはすらすら読めて楽しめました。

　しかし、英雄譚としての欠点もあります。敵役の太后達の悪行が語られるだけで描写が少ないのです。そのため、敵に読者が敵意を持つ前に倒されてしまいます。カタルシス不足は否めません。また、ファンタジーとしてのセンスオブワンダーが足りない気もします。もっと丁寧に描写をしていただいた方が個人的には好みかな。

　まあ、ベイクがカッコいいので些細な問題。イケメンは正義です。