2-転

私は大丈夫だと思っていた。

お互い利があって、それなりに幸せで。

彼が女性を連れて来た。

彼女と結婚したい。愛のない生活はもう懲り懲りだ。僕と別れてほしい。

傷つきはしないと思っていた。

どうせ彼のことなんか好きではなかったし。

ただの計略結婚だから。

建前的に、不都合はあっても、心に、不具合は発生しないと思ってた。

なのに、どうしてこんなに心が痛いのだろう。

どうしてこんなに涙が溢れるのだろう。

私はこんなにも彼にそばにいてほしいと思っていたのか。

でも、遅かった。

私は彼と別れた。

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