第4話

「以前、生活指導の大森先生が切ろうとして、先生は入院しました」


生徒が面白そうに口にすると、ドッと笑いが起こった。


「え?」


「あー……いや先生。〝あれ〟はこれの所為では……」


伊能君が身を起こして、先生に弁解する様に言う間もなく


「えー、だってあの時大森先生、凄い事吹っ飛んだって……」


「職員室の端から端まで吹っ飛んだって聞いたぜ」


「えー、窓を割って飛び出したって聞いたわよー」


クラスの皆んなが、いろいろと尾鰭が付いた話しを点でにし始める。


「いやいや、そこまでは……一応手加減という事は知ってるし」


「誰が?」


伊能君が訂正を入れた瞬間に、クラスの全員が異口同音で聞いた。

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