第467話 再会と報告/ジャン
緊急の要請があり、軍事支援の為にメルタリア王国へと向かうことになった。勇太とナナミ、エミナはファルマを追ってルダワンに向かって、戦力的にも少し不安ではあるが契約もあることから残りの面子だけで先行する。
途中、フガクと合流する為にアムリア連邦の北部地区に立ち寄る。急ぎの要件があるなか、そこで元剣豪団の面々は剣聖は再会を果たした。
「大師匠! よくご無事で!」
「また、大師匠の元気なお姿を見ることができるなんて……俺……」
「ブリュンヒルデもトリスも元気そうでなによりだ。それより二人とも、恐ろしく腕をあげてるようだな。立ち振る舞いが以前とは比べ物にならないほど洗練されているぞ」
ラフシャルの鍛錬プログラムを実施している二人は、ルーディア値だけではなく総合的にパワーアップしていると聞いている。それを一目見ただけで察するとは達人とは恐ろしい物だ。
「さて、孫弟子や弟子に負けれられないからな、俺もルーディア鍛錬とやらに精を出すとするか」
「それでは、及ばずながら私がご教授いたしましょう」
ルーディア鍛錬では先輩の清音が、父であり師匠である剣聖に少し勝ち誇ったようにそう言う。
「まさか娘に何かを教わる日がくるとはな……年は取りたくないものだ」
さらっとルーディア鍛錬の話をしているが、あの剣聖がルーディア鍛錬で強化されればどれくらい強くなるのか誰だって興味ある。俺もミーハーな想像で気分が高揚していた。
合流後、アリュナと情報交換の場が設けられた。俺からは新しい仲間であるエミッツ、ミルティー、マウユを紹介して、例の研究施設で起こったことなど話した。アリュナからはメンバーの成長や、機体の強化などの情報を聞く。
「大変だったのは聞いていたけど、それほどまでとわね」
アリュナは心から同情するようにそう言う。
「みんなの成長も俺の予想を遥かに上回っているようだな。これで何の心配もなく、もっと大きな仕事を受けれそうだな」
「やだね~ 商売っ気でしか私らのことみてないのかね」
「当たり前だ。傭兵団にとって傭兵個人の戦力は金に直結するからな」
そう言い切ると、話を聞いていたアリュナやリンネカルロたちは心底あきれたようで、話の話題を切り替えてきた。
「そんな仕事の話なんかより、勇太たちが心配ですわ」
「そうね、単細胞の勇太に幼稚なナナミ、それに冷静さを失ってるファルマとこれ以上ないくらいの心配ない面子だからね。まあ、エミナも一緒だから、よほどのことがないかぎり大丈夫でしょうけど」
そっちはなんだかんだ言っても最後はその単細胞がなんとかするだろうと思った。それより俺はメルタリアの状況が気になっていた。戦力的には問題なくても、政治的判断が要求される場面がでてくる案件だ。どのような状況にも対応できるように、頭ではすでに、いくつもの展開を想定していた。
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