夢日記

@kantas2525

第1話

眠たい眠たいまだ寝ていたい。


周りが薄明るいことが、閉じたまぶた越しに感じられる。まだ寝ていられるだろうか…。近くにあるスマホを手探りで探した。

どうか、どうかまだ6時でありますように、二度寝できますように!7時には起きないと仕事に間に合わん!


寝汚い私は毎日の日課となりつつある二度寝をするべく、時間を確認した。6時30…うん!まだいけるな!お休みなさい!!



スマホを放り出し寝ようと目を閉じかけたて、ぇえええええええ!?


なんか…ちがう!ここ!私の家じゃない!

ていうかそもそもここ外??



キラキラと朝日に照らされた真っ白な景色が目に眩しい。そしてそれがなんなのか認識した途端猛烈な寒さが襲ってきた。歯がガチガチとなる。


あたりは一面の雪景色だったのだ。というか私はこんな寒空の下ユニクロ のパジャマで寝てたの?!寒くなかったの!?どこなの!?ここ!?どうやって部屋からでたの!?てか春よね?今冬じゃないよね…




いろいろな疑問が一瞬で頭の中にうかぶ。

でも一言で言うならば、

な!な!なんじゃこりゃぁああ!である。



これは夢なのかもしれない…。

そうか夢か…でも結構寒さが割とガチかもしれん。とりあえず夢だけど覚める気配はない。なぜだ。



ゆっくり起き上がる。

私の腰まである髪からハラハラと冷たい雪が落ちた。首に溶け掛けの雪が張り付く。

なんてこったパンナコッタ!

寒いではないか!意味わからん!ユニクロのパジャマはなぜか乾いている。雪で湿ってるかと思った。よかった!でも夢だからだろう、そういうところは雑な設定だな私の頭の中は…。



そして現実と同じくぽっちゃり体型だった。くそ!夢だけでも痩せたいよ!


とりあえず素足でなく助かった。なんでか知らんがサンダル履いとる。


足元を見ると、職場で履いているよろよろの吐き潰したサンダルが辛うじて冷たい雪を阻んでくれている。なんでこのサンダル?どうせなら長靴がよかった。まあ雑な夢だから仕方ないか。


進まんことにはどうしようもないので取り敢えず夢から醒めるまで歩いて見ることにした。


ザク  ザク  ザク


歩いた。歩いた。いくら歩いても先は真っ白で雪しか見えない。あ、空はあるよ。


深々とふり積もる雪と雲に覆われた薄暗い空。まだ目覚める気配はない。


最近リアルな夢を見るようになったからこれもそうだろうなと、ぼんやり感じつつ歩き続けた。寒さ?うん寒いよ。根性だよ!?あとミートテックきてるから。ぽっちゃりだからね。



どのくらいの時間歩いたかよく分からなかったが、やっとこさ、森?林?が見えてきた。もちろん葉っぱはない。枯れ木の林だ?森?

知らんけど。現実世界では森とかあんま入らんしな。



一面雪景色だったので嬉しくなって林だか森だかに入っていく。


ザクザクと雪を踏む音にたまに枝が折れるパキパキとした音が混じる。寒さもマックスだ。指先の感覚がない。そして林を歩き続けること永遠にのこどし!


周りはいつの間にか薄暗くなってきて夜の気配が満ち満ちてきた。これは…やばいのでは?


こんなに目が醒めないとは、仕事は遅刻かもしれん。


あ!!!洞窟発見!!寒いからとりあえず入りたい!!!!!駆け足!のつもりで急いで洞窟に入った。寒いけど上から降る雪には耐えられる。そして、乾いた枯れ枝と人口的に作られたと思われる石を積み上げた簡易的な火起こしスポットがあった。すごい!私の夢なのに誰か人がいた形跡!


火を起こそう!!

て!起こせるかーい!現代人やぞ! 

と突っ込みつつ真剣に挑戦しよう!なぜならば私は学校の先生なのだ!教科は音楽だけど。今この瞬間に音楽は必要ない!必要なのは理科の知識!!!思い出せ!!


理科の先生は火起こしの授業をしてたような気がする。ちょっと細長くてちょっと太めの木を弓のようにしならせ、ツタを三つ編みにして強度を強めた縄を作る。そこになんやかんやして弓っぽい火起こし器を作りなんやかんやして火がついた。


すごいな本当に火がつくとは!


という妄想を夢の中でやるという離れ技をしたけれどやはり火はつかなかった。


死ぬかもしれん。



とりあえず寒いけどここで体力が回復するまで静かにしておくか。










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