第2章 白の貴婦人
第7話 戦士の筋トレ
冒険者として旅立ったオレだが、また家に帰ってきてしまった。
最初の冒険から帰ってきて以来、オレはひたすらスクワットをしている。
ミョルニルで何かを回収するとき、一番のネックはターゲットの重さが自分にのしかかってくることだ。
重さに耐えているときに敵に攻撃される可能性もある。
父が魔法で、ただの棒きれの重さを自由に変えてくれた。
それをウェイトにして足腰を鍛えた。
さすがに棒きれの重さをいきなり300キロにされたときは潰れそうになったが、150キロ程度であればこなせるようになっていた。
身を守るだけなら、200キロくらいまではなんとかなりそうだ。
娘を助けた見返りに多少の報酬が得られたので、オレは護身用に大楯とグラディウスを買った。
ミョルニルを使わないときは攻撃用になる。
マスキロはなぜかうちの家に入り浸っている。
我が家に客人が泊まったのは、オレの記憶の限りでは初めてだ。
驚いたことに両親はかいがいしくこの魔法使いの世話をしていた。
とは言えマスキロは日中も夜も暖炉の側で座っているだけで、手間のかかる客人ではなかったが。
ゲネオスとパマーダは宿屋に滞在していた。宿屋は酒場の2階にある。
我が家に来たらどうかと誘ったが、家の近くまで来たら不意に気が変わったとかで、酒場に戻ることにしたようだ。
とは言え城下町でオレ達は小英雄扱いだから、宿代もかなりまけてもらっているはずだ。
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