問題作は少女を乗せて。

ジョン

いざ、ダイブ!

「おお、これがVRMMOって奴ですか」


私のこの世界での第一声は、死ぬほどに面白みのないコメントから始まりました。


はい、そうです。


私は今、巷で問題作と話題の「フリーダムロールプレインガー」たるVRMMOをプレイしております。


……なんですかこのゲームタイトルは、自由にも程がありますよ。


もうちょっとひねれなかったんですかね。


プレインガーってなんですか、初耳ですよ、新出単語ですよ。


まあ簡単に状況を説明しますね。


私は今、特別な機械を使って、仮想ゲーム世界におじゃましております。


……全然説明になってねぇ。


横着者にも程がありますよ。


今すぐにでも辞書を引っ張り出して、「説明」の項目に蛍光ペン引いてこいって感じですよ。


……まあなんかそんな感じで、この問題作を遊んで行こうじゃありませんか。


まあ、どの辺りが問題作なのかってのは私も把握していないので、その辺はプレイしてからのお楽しみですね。


一応言及しておきますと、機械自体に問題は一切ないらしいです。


むしろ安全性はかなり好評です。


……つまり異常なのはゲームの中身ですよ。


一体どんな感じなのでしょうか。


楽しさ半分、不安半分って感じですね。


まあそんな感じで、始めちゃいましょうか。


私は今、水色のいかにも電脳系っぽい空間にいます。


そして、目の前には空中に表示されたボタンが!


……ボタンですよね、違いますか?


なんか「スタート」の文字が書かれた四角が浮いているんですが。


スタートボタンですよね……多分。


押しちゃいましょう!


ポチッとな♪


私はスタートボタンらしき物を押しました。


……あれ、反応がない。


……もう一回押しましょうか。


ポチッ。


『フリロガの世界へ、ようこそ!!』


あっ、なんか謎の音声が聞こえてきた。


始まったんでしょうか。


……ボタンの反応悪くないですかね?


いきなり出鼻をくじかれましたよ。


いやいや、いいですよいいですよ。


開始早々、早くもこのゲームが問題作と呼ばれるゆえんがチラついているじゃないですか。


最高ですね、もっとそういうのくださいよ。


……で、なんですか?


フリロガ?


……これはもしかしなくても「フリーダムロールプレインガー」の略称でしょうね。


……最初ぐらい、正式名で言えよって感じはしますが。


まあ、親しみやすくていいんじゃないでしょうかね。


それじゃあ、文句はほどほどにして進めましょうか。


『始めに、あなたのキャラクターを設定します!!』


……語気。


語気が強いですね、エクスクラメーションマークがこの方の語尾なんでしょうか。


まあ、言われた通りキャラクター作成を始めましょうか。

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