星座はこの世界に降る為に

アキノリ@pokkey11.1

第1章 出会い

第1話 星座の道(編集済)

本名、山田耕作(ヤマダコウサク)。

つまり俺だが.....この若さでラノベ小説家の肩書が有る。

引きこもりがちでも有る為、身長170、地味面、少しの長い髪の毛。

黒四角の眼鏡に近眼、16歳、県立高校2年生と、スペックは平たい感じだ。


そんな俺と俺の母親の山田和子(ヤマダカズコ)とは5年近く一緒に色々思春期も有り喧嘩や相反が有りながらも、その度に仲を回復させ乗り越えてきた。

二人三脚で実家を、絆を、全てを守ってきたのだ。


5年間、半分は親父の貯金を切り崩しつつ、半分は母親のパートの金銭を生活費に充てながら生活してきたのを切り替えて。

3年前から半分をプロのラノベ小説家としての金を俺は生活費に充てて、俺の母親はパートとして金銭を半分を生活費に充ててずっと生活していた。


丁度1年前までその金銭サイクルがずっと出来ていたのに.....今は俺は猛烈なスランプ状態だ。

その為にまた俺の貯金+親父の貯金を切り崩しつつ、母親はパートで働いている。

親父の貯金は少なくなってきたから、だ。

絶望を感じながら今、俺は日常を生活している。


そんなスランプになった理由は学校のストレス。

そして父親の病死で有る。

膵臓癌で病死してしまった。

その悲しみが来るとは思って無かったのだが.....5周忌の今、来てしまった。

俺はもうキーボードを叩けないと思っている。


そんな俺がラノベ小説家デビューしたのは13歳の頃だ。

だけどそれがあっても当然ながら生活は今もギリギリで有る。

デビューをしたとは言え小説で食っていける奴は5本指に数える程度だろう。

だから必死に貯めていた。


その為や今の状態が重なり金銭面と生活費を母親に半分頼らざるを得ない。

もう遺産は余り残されていない。

そして.....俺の貯金も少ない為、で有る。


俺の親父は膵臓癌で亡くなった。

だけどもうそろそろ俺達は限界かな、と思うレベルに達していた時。

有る日の事だ。

母親が.....パートの客だという男性と再婚した。


理由としては俺を守る為、家庭を守る為だったそうだが。

でも.....それには問題が有った。

その再婚相手の男の人には連れ子が居たのだ。


小学六年生の女の子で、男の人の子供だそうだが俺は本当に少しだけ.....眉を顰める感じだった。

小学6年生の女の子だから、だ。

余りに衝撃だった。



「じゃあ早速。.....初めまして。僕は七島勇五郎(ナナシマユウゴロウ)と言います。宜しくね耕作くん」


「.....あ、はい.....」


約束の3月12日になって七島さんという母親の再婚相手がやって来て。

俺は七島さんを見ながらただただ.....眉を顰めていた。

あくまで(今日)からの家族だから、だ。

だってそうだろ。

俺達は.....かつてから仲が良かった訳じゃ無い。


母親は違うかも知れないが昨日まで俺は赤の他人だったのだから。

聞かされていたが実際に会うのは初めてだ。

困惑するのも当たり前だと思う。

そんな七島さんの風貌はスーツで簡単に言えばイケメンで有る。


髪の毛を固めてオールバックにしながらも清潔感が有り。

柔和で有り、まるで外国人の様な雰囲気で有る。

俺は眩しい気がして少しだけ七島さんから.....目を逸らした。

母親は俺を心配そうに見ている。


それをチラ見してから横に座っている女の子を見る。

その女の子は母親を見て、俺を見てから、母親を見て.....そして繰り返しながら俯いていた。

困ったもんだな.....と思う。


女の子との付き合いがほぼ無い俺にとっては、だ。

小学生とか特に無いだろ。

16歳の高校生が、だ。


「ああ.....ほら。星座も挨拶して」


七島さんが静かに促すと。

星座という女の子が顔を静かに上げる。

茶色の目をした、黒髪のツインテの女の子。


そして顔立ちは整い、童顔で、可愛い感じだった。

一瞬だけこっちを見てから直ぐに俯く。

それから呟く。


「.....初めまして.....七島星座です.....」


「.....あ、ああ」


あらあらと母親は星座ちゃんに.....笑みを浮かべる。

自己紹介は済んでいるという事だろう。

俺はマジに参ったと思いながら皆んなを繰り返し見ていた。

駄目だなこれ。


一応、刊行していた時は色々有って社会経験は有るけど.....小学生の女の子を扱える程は向いてないと思う。

だってそうだろ。

ただただ星座ちゃんは俯いているのだ。

本格的に困ったな.....。


「.....うん。.....でもこんな日も有ると思うわ」


「ですね。七島さん」


二人は和かにただそう言うが。

でもな.....こんな日が続くと心苦しいと思う。

思いながら.....星座ちゃんを見つめる。

そして母さんを見た。

堪らない。


「.....俺、トイレ行ってくるね母さん」


「.....そう?.....分かったわ」


ニコッと笑む、母さん。

だが申し訳無いがトイレに行く訳では無い。

この場所から取り敢えず一旦、逃げようと思っていたのだ。

俺はコンビニへ向かおうと思い歩く。

そして玄関から出て、歩き出す。


そうして近所に有るコンビニに着いた。

俺は雑誌コーナーに歩き雑誌を読む。

何故こうしているかと言うと、簡単に言えば.....情報を得る為、だ。

俺は.....小説を書いてないが小説のネタを考えない日は無い。


「.....?」


そうしているとコンビニに少女が入って来る。

その少女は.....星座ちゃんであった。

ビックリしながらお菓子コーナーに向かう、星座ちゃんを見る。

俺をチラ見した気がしたが.....気のせいか?

思いながら.....お菓子コーナーに行ってみる。


「.....」


星座ちゃんがお菓子を見ながら.....取っては置き、取っては置きをしている。

何をしているのかと思いながら居たが。

ああ、金が無いのか、と思った。

そう思い星座ちゃんに近付く。


「金が無いのか」


「.....」


「.....買おうか?」


「.....私、お金無い訳じゃ無いから.....」


ぶっきらぼうに話す、星座ちゃん。

あー.....これ面倒いやつだ。

思いながら俺は眉を顰めて溜息を吐く。

マジに困ったな.....と思いながら、だ。


「.....星座ちゃん」


「.....何」


「.....俺もお菓子買おうと思ったから買うよ」


「.....」


俺を眉を寄せながら見る、星座ちゃん。

そして.....俺の手に静かにお菓子を乗せた。

それはポッキーだ。

俺は.....少しだけ笑みを浮かべる。

星座ちゃんは.....俯いていた。


「.....じゃあレジに行くから。待っててな」


「.....有難う。.....お兄ちゃん」


「へ!?お、お兄ちゃん!?」


「.....だってパパが言うから。そう言えって」


七島さん.....。

思いながらも.....少しだけ会話が出来たなと思い。

少しだけ安心しながら.....レジに並んだ。

それから.....ポッキーを渡した。

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