第37話
男子100mの決勝の時間になった ここでの上位6人が南関東大会に出場になる
決勝メンバーは1レーンから石本、飯田、隆二、俺、内田、秋山さん、楠木、上田だ 内田が隣なのでスタートで勝負になるな
選手紹介が終わり、会場内が静かになる その時、招集場所に行く前に渚に言われたことを思い出した
「内田くんとスタートで競ることになると思う 焦らずに、競ること前提で走るんだよ?」
「大丈夫、分かってるよ」
「……応援してるからね、勝ってよ 絶対」
「もちろん、勝つことしか考えてねーよ」
「……じゃあ、お守りとして」
「え?んむっ!」
渚に急にキスされた 人気のない所に呼ばれた理由はこれか
「……ぷはっ これで絶対勝てるよ」
「う、うん……ありがと……」
……恥ずかしいことを思い出してしまった けど、そこまでして応援してくれている渚のためにも頑張らないといけない
「on your marks……」
いつも通りのルーティンを行い、ブロックに着く 膝を着いて前を見る すると、スタンドの最前列に座っている渚の顔が見えた 待ってろ、勝って帰ってくるから
「set」
パァン!
号砲とともにスタートする 内田と俺の反応勝負は同率くらいか
加速に乗る 俺と内田が同じように加速していってどんどん周りを引き離す
中盤、秋山さんと隆二、石本もくる 楠木もあがってくる 俺と内田が逃げる
後半 俺、内田、隆二、秋山さん、石本、飯田、の勝負だ 上田と楠木は離れている あ、内田が離れた あとは逃げ切るだけ……!
ラスト、隆二がくる 石本、秋山さんも来る 逃げ切る、絶対に!逃げ切る!
体全体でゴールラインを超えた 体の感覚も無い
「男子100m競走の表彰です 優勝は、中嶋くん 龍山高校 記録、10.48でした」
何とか優勝できた 向かい風1.2mでこのタイムは嬉しい 渚がめっちゃ笑顔で写真撮ってる 喜んでくれたようでよかった
2位が隆二 宣言通り決勝で内田に勝った
3位は内田 俺から離れたあとも少しは粘ったらしい
4位が秋山さん 内田を差しきれなかったようだ 悔しがってた
5位が石本 6位が飯田だった
楠木と上田が7位と8位 南関東大会進出を逃すこととなった
あとがき
ちょい短めですが100の決勝ということでこれだけにしました 次はマイル……
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