折れた割り箸

むち

1. プロローグ

 高校生として初めての秋。11月にしては暖かい日だった。小春日和というらしい。秋というのは不憫な季節だ。最近は夏と冬ばかり長引いてただでさえ影が薄いのに、その短い期間さえ春に例えられてしまうとは。

 しかし不憫さでいえば、この日の僕もいい勝負だったかもしれない。思うに、始まりは便意との戦いである。

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