Lv1不可説不可説転の少年

ぱるぱす

第1話始まり

ある星のある国のある村で男女の間に、元気な男の子が産まれました。


男の子は「エヴァン」と名づけられ、畑仕事を手伝ったり、罠を張って、魔獣狩りをしていました。


村人たちは皆温厚で、エヴァンは豊かな環境ですくすく成長していき、やがて少年になりました。


そんな生活を送っていたエヴァンでしたが、ある日、突然もやもやした感情が芽生えました。


そう、エヴァンは恋をしたのでした。


その相手とは向かいの家に住んでいる二歳年上の少女「ステラ」でした。


エヴァンはステラと幼いころから遊んでいました。


今日も山で遊ぶ約束をしていました。


なので、山に入る前にエヴァンは正直にその気持ちを彼女に告げました。


彼女は驚いたような顔をしました。


その顔を見てエヴァンは、落ち込んでしまいました。


きっと、自分を卑下したのでしょう。


ステラもエヴァンのその顔を見て、慌てて、けれど笑顔でこう答えました。


「よろしくお願いします」


その日からエヴァンは今まで見てきたものが一変するかのように思えるほど幸せに包まれました。


何を食べても美味しい。何をしても楽しい。


そんな毎日になりました。


そんなエヴァンが15歳になったとき、父から剣術や体術を習うことになりました。


エヴァンはとても乗り気でした。


「近接戦闘も出来ないと女を守れないぞ~」


どうやら父のそんな言葉が原因だったようです。


エヴァンは父からの指導に勤しみました。


それから、一年が経ったある日、村に異変が起こります。


なんと、村人たちが武装し始めたのです。


どうやら、人間と魔族の間で揉め事があったらしく、近くの魔王領から魔人の軍勢がこの村に攻めてくるというのです。


当然エヴァンも戦場へ赴きます。


戦場へ行く前に、エヴァンはステラに挨拶をしました。


女性は近くの村へ逃げるのです。


これで心置きなく戦えるようになったエヴァンは、その時を待ちます。


夕刻に迫った頃、太陽を黒い影が覆っていきます。


村へと攻めてきたのは、それはとても大きな軍隊でした。


しかし、村人たちは怯みません。


無謀と知りながらも立ち向かっていきました。


多くの村人が倒れていく中、エヴァンは奮闘していました。


一度に二人を相手取っても負けませんでした。


一年でこれだけできるのですから、相当な才能を持っていたのでしょう。


しかし、エヴァンにとって本格的な対人戦はこれが始めてでした。


やはり、まだ未熟。


それに魔人は魔法という不思議な力を使えたため、エヴァンたちは不利がありました。


そして、ついにエヴァンは傷を負ってしまいます。


その傷を受けてからエヴァンは劣勢になっていきました。


そのエヴァンを打ち取ろうと、彼の背後から剣が振り下ろされます。


しかし、その剣はエヴァンに届くことはありませんでした。


エヴァンが振り向くとそこには、父がいました。


しかし、エヴァンに向けられた攻撃を受け止め、その身体はボロボロで、片腕は力無く垂れ下がっており、とても戦えるような状態ではありませんでした。


そんな父を見て、目の前の魔人を倒し、他の魔人の目を掻い潜り、なんとか家の中に身を潜めました。


エヴァンは父を簡易的に治療すると、父はお礼を言いました。


まだ父は動けるような状態ではなかったので、部屋の奥にある骨折した部位を補助する医療品を取りに行きました。


医療品を取るのに手間取って、少し時間がかかってから玄関に戻りました。


すると、そこにいるはずの父の姿はありませんでした。


まさか、と思いエヴァンは医療品を投げ捨てて扉を開けようとしたその時・・・!


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