思い出をたどって

確かあれは、小学校五年生くらいの時の話だったと思う。季節は夏で、【ペルセウス流星群】が見られる日だった気がする。


『ねぇ、また星見に行くの?』

つばさ君は本当に星が好きで、流星群が見られる日には毎回両親に内緒で布団を抜け出してあの公園で星を眺めていた。


『そうだよ。一緒に行く?』って誘われるけど、流星群ってだいたい夜中に見えるからほとんど断ってた。

私が断ると毎回決まって『なんだよ〜すっごい綺麗なのに....。絶対一回は見に行った方がいいよ。よし決めた!今度のときは手引っ張ってでも連れてってやる』って。


『えぇ.......やだよ眠いもん』


『はぁ?なにそれ、でもこれは絶対だからもう強制。』

こんな会話が、楽しくてしょうがなかった。


その時は、離ればなれになるなんて想像していなかったし....できなかった。




「あーあ.....なんでかなぁ......っ」

なんで.....なんでこんな時に限って、昔のことなんか思い出してしまうんだろう。泣くつもりなんてなかったのに、涙も溢れてきて。止めようと思ってもまるで反抗するみたいに、どんどんどんどん溢れてきて。


気づいたら、私は誰もいない公園で一人...声をあげて泣いていた。


「何してんだろ、さ.....帰ろ.....。」

また少し冷えてきたし、早く家に帰ろう。家に帰ってお風呂に入って.....その後は布団に潜って寝よう。寝て、明日になったら.....今日の出来事だって綺麗さっぱり忘れられているはずだから。

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