第15話 まだまだ戦いはこれからだ

 2021年12月中旬

 俺が夢の中で死んだせいでテキサスに怪物が出現した。カトブレパスっていう怪物だ。

 カトブレパス(英語:catoblepas, ラテン語:catōblepas, ギリシア語:κατῶβλεψ)は、ガイウス・プリニウス・セクンドゥス(大プリニウス)の『博物誌』に記された、西エチオピアに住むとされた架空の動物。ギリシア語の κάτω は英語で downwards を, βλέπ-ειν は to look を意味し、カトブレパスはギリシア語で「うつむく者」を意味する。


 大プリニウスの『博物誌』(8-32)によれば、西エチオピアに存在するという、当時ナイル川の源流であると信じられていたニグリスという泉の傍に住む動物である。非常に重い頭部を持ち、そのためいつも頭を地面に垂らしている。「カトブレパスの眼を見た人間は即死する」と締めくくられており、次節(8-33)において同様の邪視能力を持つ生物としてバジリスクを紹介している。外見については、重い頭部の他には「大きさはそこそこで、手足の動きは緩慢」とだけ書かれている。


 18世紀-19世紀のフランスの博物学者ジョルジュ・キュヴィエは、アフリカに生息するヌーの姿と、バジリスクやゴルゴーンの伝説が組み合わさってカトブレパスが生まれたのではないかと推測している。19世紀のフランスの小説家ギュスターヴ・フローベールの作品『聖アントワーヌの誘惑』には、垂れた豚の頭、水牛の体、空の腸のように細い首を持つ動物としてカトブレパスが登場している。

 カトブレパスの邪視によって通行人が次々と石化していく。そして、奴の魔の手は俺にまで迫った。

 

 竹梨と隅島はメキシコシティを歩いていた。市内はバス、メトロバス (メキシコシティ)、地下鉄の路線網が発達しており、またタクシーも市民の足として重宝されている。地方都市とは長距離バスや鉄道、空路で結ばれている。また人口900万人の町に、400万台の自動車があり、市内の多くの個所が慢性的に渋滞している。それらの車が吐き出す排気ガスによる大気汚染は、前述のとおり大きな社会問題となっている。また、自動車の運転免許取得には試験制度がないため、運転マナーが概ね悪く交通事故が多い原因となっている。

「試験ないのか、いいなぁ?俺が教習したときの教官、居眠りばっかして最悪だった」と、竹梨。

「そりゃあ、ご愁傷さま」 

 隅島は鼻で笑った。


 🚃メキシコシティ都市圏郊外鉄道

 終起点はブエナビスタ駅 (Estacion Buena Vista)

 メキシコの首都であるメキシコシティの中心部とその周辺地域の間を運行している電気鉄道路線である。メキシコ盆地郊外鉄道としても知られ、俗にEl Tren Suburbano(近郊列車)とも呼ばれる。この鉄道は、ラテンアメリカで最大でもっとも輸送量が多い都市鉄道網であるメキシコシティ地下鉄を補完すべく計画された。駅数は7駅、軌間は1,435mmの標準軌である。1路線が開通し、2路線が計画中であり、将来的な総延長は242kmの鉄道網となる予定である。


 🚇メキシコシティ地下鉄

 ソチミルコLRT

 

 メキシコシティ地下鉄はメキシコの首都メキシコシティの大部分をカバーする公共交通機関である。同地下鉄は世界で初めて各駅にシンボルを設けたことで知られる。また、料金が全区間均一であることでも知られる。なお、建設はフランスが技術提供したため、A号線を除くと、ゴムタイヤと鋼鉄車輪の軌道や台車になっている。2015年現在の総延長は226.5 km、12路線、195駅に達し、米大陸ではニューヨーク地下鉄に次ぐ規模となっている。

 

 メキシコシティの中心は中央広場であるソカロ広場から、その西にある繁華街ソナ・ロッサにかけての地区である。ソカロ広場とその周辺はアステカの都テノチティトランと同じ位置であり、テノチティトランを破壊してその上に建設された、建設当時の「メキシコシティ」に当たる地区である。国立宮殿やメキシコシティ・メトロポリタン大聖堂(カテドラル)などスペイン統治時代から続く歴史ある建物も多い。また、テノチティトラン時代のアステカ帝国の神殿跡であるテンプロ・マヨール遺跡もこの地区にある。


 市の東部はかつてテスココ湖が広がっていたが、現在ではそのほとんどが埋め立てられ、テスココ湖はほんの一部を残すのみとなり、その跡地には住宅街が広がるようになった。東部にはメキシコ・シティ国際空港があり、また低所得者の多く住むネツァワルコヨトル市に接する。


 中心部を東西に伸びるレフォルマ通りは、メキシコ干渉時の皇帝マキシミリアンがパリのシャンゼリゼ通りをモデルに作らせた通りで、高層ビルの立ち並ぶメインストリートとなっている。レフォルマ通りの南に広がるソナ・ロッサはメキシコシティ一の繁華街であり、一流ブランドの店が立ち並ぶ。ソナ・ロッサの西にはポルフィリオ・ディアス時代に建設された独立記念塔が立ち、さらにその西には小高い丘に作られたチャプルテペック公園がひろがる。チャプルテペック公園内にはメソアメリカ文明の遺産を集めたメキシコ国立人類学博物館や、チャプルテペック城などがある。また、この一帯は中所得者層の住宅地区となっている。


 南西部から南部にかけては高級住宅街となっており、またメキシコ国立自治大学のある文教地区でもある。南部のソチミルコはアステカ時代からのこる水路の広がる水郷となっており、観光用のボートが水路をめぐり多くの観光客が訪れる。この地区は世界遺産にも登録されている。


 西部は近年都市開発が進み、ビジネス・住宅地区となっている。西部のサンタ・フェ地区はメキシコ大地震後に新たに開発が進められたエリアで、高層ビルや超現代的な建築が立ち並び、新たなビジネスの中心となっている。


 北部は工業地帯であり、住宅としては低所得者層用が多い。レフォルマ通り沿いにあるトラテロルコ地区はかつてアステカの商業都市であり、現在もその遺跡が残っている。そのそばにスペイン植民地時代の建築が広がり、さらに近年近代的なアパート群が建設されたことから、この地区の中心の広場は三つの文化を眺められる場所として三文化広場と名づけられている。この広場は1968年、学生デモに政府軍が発砲し多数の死者を出したトラテロルコ事件の舞台としても知られる。そのさらに北にあるテペヤックの丘には、グアダルーペ寺院が建っている。ここは1531年12月9日にグアダルーペの聖母 (メキシコ)の起きた場所であり、現在でも多くの参拝者が訪れる。

  

 生活に困窮する没落した上流階級出身の赤丸育江は新聞の広告欄に夢のような話を見つける。上流階級の人間限定で格安の家賃で住宅を貸すというのだ。


 宇佐美英介と結婚したオリビアは庭師の話から夫の奇妙な嘘を知ることになる。徐々に明らかになる夫の秘密。


 伯父からの仕送りを止められた柿本恭也は一念発起し列車に乗り込む。少しすると女性が助けを求め車両に飛び込んできた。


 一線を退いた弁護士の草津啓太の元に彼が言った数年前の何気ない言葉を信じ、旧知の女性が相談に訪れた。


 しっかりしすぎている恋人に悩む小島彩人は懸賞で当たった金を使い彼女に内緒で車を買ってしまう。


 過去に夫殺しの容疑で捕まり無罪となった女性が新たな男性と結婚していた。その男性が妻を受取人にした生命保険に入ったことを知った元警部の白鳥朱雀は悲劇を未然に防ぐことを決意する。


 失業中の瀬戸草太郎は新聞の広告欄で仕事を探す。その中で年齢、顔つき、身長などを指定する一つの広告に目がいく。自信のあった草太郎は指定された場所へと向かった。



 路上の店でコンドームの入ったかごを買った達也と千代子は新聞で100万円のルビーのネックレスが紛失したというニュースを知る。かごの底に何かを見つけた達也がそれを引っ張り出すと赤い石の付いたネックレスだった・・・。


 推理作家の津田哲也は『第二のキュウリの謎』なる作品のアイデアに詰まっていた。そして掛かってきた見知らぬ女性からの助けを求める電話。電話が切れる直前彼女は「合言葉はキュウリ」とつぶやいた。


 伯父から解雇宣告を受け金融街で立ちながら考え込んでいた戸村夏希。すると突然社交界の花形として知られる女性が車の中から声をかけてきた。


 恋人に連れられスキー場を訪れた虹原沼男。ところが宿がどこも開いていない。ドアが開いていた別荘を沼男はこっそりと使わせてもらうことにする。


 竹梨と隅島はアパラチア山脈にやって来た。

 複雑に褶曲した山脈で、侵食が進んだ丘陵性の古い山脈である。北端はカナダニューファンドランド島で、そこから北アメリカ大陸東部を南西方向に縦断し、南端はアラバマ州の中央に至る。また、その裾野はミシシッピ州北西部にまで及んでいる。個々の山の標高は平均して1,000m前後で、最高峰はノースカロライナ州にあるミッチェル山(標高2,037m)。


 山脈の西部では石油・石炭が盛んに採掘されているなど地下資源が豊富。山脈の東側には都市が発達している。


 国立公園が多く、グレート・スモーキー山脈国立公園やシェナンドー国立公園が有名である。


 山脈を構成する岩石は海成の堆積岩と火山岩および古い海洋底で、激しく褶曲・断層作用を受けている。山脈の形成は古生代オルドビス紀に大陸縁辺部に海洋プレートが衝突し始め、北アメリカ大陸に潜り込んだことによる。火山の活発化と、浸食による周辺への堆積が生じた。これは現在の北アメリカ大陸とアフリカ大陸が一体化したアパラチア造山運動で最高潮に達した。つまり、超大陸パンゲア形成の中心に位置し、アパラチア山脈とモロッコのアトラス山脈、さらにイギリスのスコットランド地方は一連の地質構造であった(カレドニア造山運動)。中生代末までに山脈は浸食され平原化したが、新生代に隆起し、現在の形に浸食が進んだ。


 かつては、造山運動のメカニズムを説明する有力な学説のひとつであった地向斜説の標準地として扱われていた。


 2020年

 コロナ・ショックによる危機の渦中に巻き込まれた東京。中国の劉主席は「他の国はいい、我が国を護れ」と叫んで隠蔽に図る。


 渋谷にあるフランス料理店の根府川則夫は、平凡ながらも難病を克服しつつある妻、葉月と幸せな家庭を築いていた。しかしある日コロナが発生し、客足が遠のき、閉店にも追い込まれた。

 介護士をしていた妻も嫌がらせを受けて自殺した。

 翌年になり、ある程度景気は回復し海外への行き来も出来るようになった。

 全てを失った根府川は中国に復讐を誓い、武器を持ち武漢へ乗り込む。


 竹梨と隅島はメキシコの文化にどっぷりはまった。2人は刑事を辞めて世界を冒険することになった。

 メキシコ料理はアステカ料理など土着の食文化と旧世界の料理、特にスペイン料理との融合により形作られた。ポピュラーなメキシコ料理には、タコスやエンチラーダ、モーレ、アトーレ、タマレス、ポソーレ(英語版)などがある。伝統的に、メキシコ料理の主要な材料はトウモロコシ、豆、食肉、ジャガイモ、トマト、ピーマン、唐辛子、ハバネロペッパー、タマネギ、種実類、アボカド、グアバである。ポピュラーな飲料には様々な果汁やローゼルで風味を付けた水やオルチャータ、そしてミルクか水で溶いてモリニージョと呼ばれる伝統的な木の混ぜ棒を使ってよく泡が立つまでかき混ぜたシナモン風味のホット・チョコレートが挙げられる。メキシコ特有のアルコール飲料には、メスカルやプルケ、テキーラがある。コロナビールなどメキシコのビールも人気で、盛んに輸出されている。メキシコのワインの醸造はスペイン人による征服直後に始まり、メキシコ北部(バハ・カリフォルニア州とソノラ州)、コアウイラ州とドゥランゴ州のラグーナ地方(英語版)およびメキシコ中部(サカテカス州、アグアスカリエンテス州、ケレタロ州)が主なワイン産地として知られ、中でもバハ・カリフォルニア州だけでメキシコワインの9割を産する。ワインを生産し、輸出する国際的な賞を獲得したワイン醸造所もある。


 最も重要で頻繁に使われるメキシコ料理の香辛料は、唐辛子とクミン、オレガノ、コリアンダー、アリタソウ、シナモン、ココアである。熟したハラペーニョトウガラシを燻製して作られるチポトレもメキシコ料理では一般的である。多くのメキシコ料理にはタマネギやニンニクが含まれ、メキシコの主要食物の一部を成す。


 米はトウモロコシに次いでメキシコ料理で最も一般的な穀物である。フードライターのカレン・ハーシュ・グレーバーによれば、ムーア人による14世紀の北アフリカからスペインへの米の伝来が、1520年代にベラクルスの港におけるスペインからメキシコへの米の伝来に繋がった。グレーバー曰く、これは世界で最高の多国籍料理の最初期の例の1つを生み出したという。


 他方では、メキシコ南東部、特にユカタン半島では、香辛料の効いた野菜と肉の料理が有名である。メキシコ南東部の料理は、地理的にカリブ海の食文化の影響が強い。魚介類は太平洋やメキシコ湾に接している州で一般に調理される。前者はセビチェ、後者はウアチナンゴ・ア・ラ・ベラクルサーナで有名である。


 現代では、メキシコで外国料理の人気が非常に高まり、メキシコ料理にも外国料理の要素が取り入れられた。例えば、メキシコの寿司はしばしばマンゴーとタマリンドをベースにした様々なソースを使用して作られ、セラーノを混ぜた醤油と共に出されたり、酢やハバネロ、チポトレを加えることも非常に多い。


 チョコレートはメキシコに起源があり、先住民の社会であまねく珍重された。チョコレートは今もメキシコ料理の重要な材料である。

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