俺と後輩の日常

月楽

プロローグ

人と人との出会いなんて、案外覚えていないものなのかもしれない。


たしかに、何かきっかけはあったんだろうし、理由もあったんだと思う。


けれど、思い出そうとしてみると、結構思い出せないものもあるんじゃないだろうか。


俺にとっては、こいつとの出会いが、まさにそれだ。覚えていない。まったく、かけらも覚えていない。


だから、なぜこんなことになったのか、なぜこいつが俺と一緒にいてくれるのか、それはわからない。


けれど、そんなことは、実は重要なことではないのかもしれない、なんて思う。


なぜか?


それは──きっと大切なことは、今が楽しいことだと思うからだ。

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