人付き合いは難しい

人付き合いは難しい

　人付き合いというものは非常に難しい。個人での付き合いならば、お互いの配慮が利くだろう。

　しかし、それが集団での付き合いになると話は変わってくる。空気を読み、和を乱さないように会話に混ざり、さらには誘いは断れない。一度でも断れば、白い目で見られるようになる。

　もはや、地獄と言えよう。楽しむ余地など無く、ただ人間関係を壊さないよう心を配る。そんなことを毎度毎度やっていれば、心が摩耗していくのは必然。次に集まろうなどと言う話になれば、気が滅入り、胃がキリキリと痛み出す。

　その日が終わっても、胃痛は留まることを知らず次の会に向けてストレスと闘うことなる。

「もう、いいのでは？」

　と何度も自問自答しながらも、考えを決められず残留する。それを繰り返し、やがて諦めにも近い感情が生まれてくるのだ。

　そうなってくると、人付き合いというものにとても億劫になる。そして、独りでいることに気楽さを覚え、群れることをやめるのだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了