第26話 日のあたる場所

自称運がいい奴は、人生で初めて日のあたる場所に出ることになった。俺の大学で日和見カーリース東京に内定、事態が集束するには時間がかかりそうだ。


やたらと運がいいという妄想は、会社に入ってからやがて崩れ落ちてしまうかもしれない。世の中そんな甘くないだろう。でも、立ち止まると足元をさらわれそうなほど速い流れが俺の人生を流れていて、自分の意思ではどうにもならない行先不明の将来が待っているみたいだ。


大豆ほどの穴が黒々と大口をあけていて、あっという間に穴に突き落とされるのではないか。ただ、目の前に日和見カーリース東京という道が開けたことは確かだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る