第4話

「それで、いくらだったんですか?」

 加奈は興味深そうだ。

「なんと十万」

「ひぇーっ」

 加奈は目を輝かせている。

 意外とお金にも興味があるタイプなんだな。

 いつもはそれなりに清楚で優しい感じだが、あきらかにさぼり癖というか、文芸部の中でもあまりまともに小説を書かない。

 今もテーブルの上には加奈が読んでいる漫画本が置いてあった。

「消しなさい」と玲奈は言う。

 やっぱりそうだよな。

「なんで消しちゃうんですか」と加奈。

 反論してくれるのか。

「私たちの体のお金じゃない」

 玲奈はもう怒っていた。

「まぁ確かに私たちの体ですね」

 加奈はちょっとしょんぼりしている。

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