第133話 タクヤの仕置き
領主アカリフォルニの死体と水浸しの居城、封印した黒装束の女達、「何事か」と集まる騎士達の対応でトティとリーマラは後処理を余儀なくされる。
慌ただしく動き回り指示していくトティの姿は、流石公爵令嬢だ。
俺達は詳細は後日と言う事で、この都市から出ていかない事を約束させられて、アカリフォルニに数日宿泊する事になった。
ルア下着は忙しい中で、リーマラが取り敢えず1週間分を用意してくれた。
服と下着を買いに行っただけなのに、とんでもない事になっちゃったよ。
そして数日後、アカリフォルニの冒険者ギルドの会議室で、トティとリーマラと再び会う事になった。
俺と人魚のルア、ブラックドッグのクロドは会議室でトティとリーマラと向かい合う。
「はぁ、色々ありすぎて、どこから聞いていいか分からないよ……」
ため息をつくリーマラ。
「始めにトンワシンの冒険者ギルドで固まってるタクヤの件かな?」
トティが俺に話し掛ける。
「タクヤ? 知りませんねぇ」
惚ける俺。
「はぁ、タクヤがユウマに難癖をつけて、襲い掛かろうとした事は分かってる。ユウマに非はない。どうか元に戻して貰えないか?」
「それで、タクヤって人は無罪放免ですか?」
「いや、きついペナルティは課すよ。そうだなぁ、パーティー全員連帯責任で冒険者ランクの降格で許して貰えないか?」
「ふ~ん。根本的な解決になってないと思いますが……」
「あぁ、どうやら私達を崇拝するあまり、私達と仲良くする冒険者達に噛みついていた事も聞いた。それに関しては私達にも責任の一端はあるのだろう……」
まあ、トティとリーマラは悪くはないと思うけどねぇ……。
「そこでだ。タクヤが今回騒動を起こした責任を取って、私達はトンワシンの冒険者ギルドから席を抜く事にした」
「おぉ、するとどうなります?」
「まあ、完全解決にはならないが、少なくともトンワシンでは、2度とタクヤの様な騒ぎは起きないだろう」
トティの言葉についでリーマラも説明する。
「まあ、タクヤ以外も似たような冒険者はいると思うが、私達がトンワシンから居なくなると、タクヤ達は総すかんを食うだろうね」
「そうかぁ。分かりました。封印は解きましょう」
「有り難う。さて、本題に入ろうか……」
トティがニヤリと笑って俺を見詰める。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
数日後、トンワシンの冒険者ギルドで封印を解かれたタクヤと、その仲間のパーティーがギルドマスターの前で項垂れてギルドマスターの言葉を待つ。
「タクヤとその仲間のパーティーは全員冒険者ランク降格とする!」
「ええええええ! 俺も?」
「え? そこまでしなくても……」
「お前らタクヤの行動を止めないで、黙って見てたんだろう。同罪に決まってるじゃねえかぁ!」
「くっ……」
「もうひとつ連絡がある。タクヤ、お前の起こした問題の責任を取って、トティさんとリーマラさんは、トンワシンの冒険者ギルドから席を抜かれた。トティさん達の抜けた穴は大きい、死ぬ気で頑張って貰うぞ!」
「えええええええええ!」
「タクヤ、て、てめぇのせいで……」
その後、トンワシンでは、タクヤ達のパーティーは冒険者達から罵詈雑言、嫌がらせを受ける破目になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます