Sランクパーティーに捨てられたポーターは実は最強の空間魔法使いだった。~虐げられた世界に復讐して『ざまぁ』するんだぁ!~

ボルトコボルト

第1話 焔の剣

俺はポーターだ。名前はユウマ。


Sランク冒険者パーティー『焔の剣』のポーターをしている。


『焔の剣』は俺の幼馴染み達が集まったパーティーだ。


メンバーは、リーダーの剣士ミナト、弓使いのヒマリ、火魔法使いのアオイ、回復士のユイナの4人。


ついこの間Sランクに昇格したばかりのパーティーだ。


今、俺達はダンジョンを探索している。


Sランクに昇格して初のダンジョンだ。


「ユウマ!ちょっとぉ、本当にこの道で良いの?さっきと同じ道じゃない?」


「うん。大丈夫ちゃんとマッピングしてるから、似てる道だけどさっきの道とは違うよ」


ヒマリの問いに俺は地図を見ながら返事した。


「お!何か出てきたぞ」

リーダーの剣士ミナトが身構えた。


「う゛っ、臭い!ゾンビだわ。ファイアーボール!」

火魔法使いアオイが火魔法を放った。


「あ、まだ火魔法はダメだって」

「なんでよぉ!」


ゾンビは燃えながら迫って来た。


「足を斬って動けなくしてから、火魔法を放つって、ダンジョンに入る前に言ったでしょ」


「煩いわねぇ!ポーターの癖に生意気よ!」


バギッ!


「いたっ」


アオイは俺を拳で殴る。


俺がダンジョンに入る前に事前に調べた情報を説明するんだけど、誰も聞いていないんだよなぁ。


シュッ、ブシャッ!!


ミナトが燃えているゾンビの首を斬り落とした。


「あ、ゾンビは始めに足を斬ってって言ったのにぃ!」


「うるせぇ!ポーターごときがガタガタ言うなぁ!」


しかし、ゾンビは死なず首が無いまま歩いて来る。


「おい、こいつ死なねえぞ!ユウマ、急所はどこだ!」


「だから始めに言ったでしょう。胸の核を壊さないと倒せないって!」


「口答えするな!戦えないポーター野郎」


「アオイが危ない、ユイナ!ゾンビを浄化して!」


アオイは後ろに逃げ出す。


「嫌よ!気持ち悪い」


気持ち悪いってなんだよぅ。


「ヒマリ、この矢をゾンビの胸の真ん中に当てて・・」


俺は亜空間から聖属性の矢を、弓使いのヒマリに渡した。


「しょうがないわね」


ヒュンッ!グサッ!

バタンッ!


「グギャアアアアアア!」


ヒマリの聖なる矢がゾンビの胸を貫いた。


本当にこいつらSランクパーティーになったのかよ。俺がいないと力押ししか出来ないのに。


俺と再会した時はDランクのパーティーで伸び悩んでいた様だった。


俺はポーターでの参加だったが、冒険する事が出来て、とても嬉しかったので、出来る限りの事を何でもやった。


行商人に仕込まれた料理はもとより、ダンジョンの情報を事前に収集し、出現するモンスターの弱点を調べ、弱点を攻撃する為の武器を購入し渡した。


武器を事前に買う事など必要とも思えないらしく、お金を出さないので、ポーターの給金として貰った俺のお金で買ったのだが、依頼を達成しランクアップして喜ぶ仲間を見る為に頑張った。

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