銀剣のステラナイツリプレイ・鷲爪の傷跡

ゆらのまりか

プロローグ

「紫苑さん、紫苑さん、紫苑...」




世界が壊れていく。


巨大な鏡がばりばりと砕け散るように。




宇宙の底ではロアテラがすべてをのんでしまおうと、暗黒の口を開けて待っているのだろう。




虚無に向けて堕ちていく。


冬海の方にせいいっぱい手を伸ばす。
せめて最期の瞬間までふたりでいたくて。




「紫苑、、、僕は君を守ると、誓ったから...」


泣くのを必死で我慢しているような彼のぐちゃぐちゃな笑顔。

いくらあがいても彼に届かない自分の指先。


それが最期の記憶。

世界は砕け散り、私だけがここ桜の帝都に転送された。


記憶は奪わせない。


在りし日の彼の穏やかな笑顔を。


光り輝く彼との日常を。


愛しき記憶メモリィズを抱えて、眠りにつこう。


ロアテラに彼の記憶を奪われてしまう前に。



正しく世界を終わらせよう。


このうつくしい世界を守るために。


再びあの悲劇を繰り返さないために。



そのために、私は再び冬海の剣を手に取って戦うのだ。



銀剣のステラナイツ

「霧と桜のマルジナリア」

——剣を取れ、霧の騎士たちよ

正しき終わりを、否定するために

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