この世界に絶望したのでエレベーター乗って異世界行きます

ニート

第1話

 俺は出会ってきたすべての人間にいじめらはぶられた、もうこの世界に未練はない……いや、そうは言っても俺をいじめ見下し蔑んで来たやつらへの復讐心はもちろんあるのだが、とりあえず今はこんな世界からは一秒でも早く出ていきたい、そんな思いでいっぱいだったのである……。

とはいうものの異世界へ行くとは言っても自分から行こうにもその方法はなかなか見つからない、トラックにひかれるのは痛そうで怖いし無理……ということでスマホで検索してできそうだと思ったのはずばり「エレベーターで異世界へ行く方法」である! 都市伝説の一つらしく「監〇カメラ」や「〇ちゃんねるの怖い噂」などの映像作品にも取り上げられたことがあるほど巷ではそれなりに有名なものらしいのだがこれをやってみることにする。まず10階以上までいけるエレベーターがある建物を探す、そのエレベーターに一人で乗る←後述する一人の女が乗ってくるのを除いて、これから行うことをする間は自分以外だれかがエレベーターに乗ってくることがあればそれは失敗ということになるらしいため、人気の少なさそうな深夜に行うことにした。そしてまず4階へ行くボタンを押して4回までエレベーターで上がる、けれどそのフロアで降りずにそのまま2階へ降りるという……そしてさっきと同じように降りずに6階へのボタンを押して上がっていく、また2階へ降りる、そしてやっと10階へと上がるのである。ここまでで他人が乗ってきたため3度失敗している、4度目の挑戦でやっとここまで誰も乗ってくることなく進むことができた。もう少しである……そして5階へ降りるのである。ここでさっき書いたように女が乗ってくるのだがこれは失敗ではなく異世界へ行くためのルーティーンの一つということでむしろ成功していると言えるだろう。絶対に話しかけてはいけないようなので目も合わせないようにしてガン無視を決める。話しかけてくんなよ、話しかけてくんな……まあ向こうから話しかけてくるというのなら話が違うため元々失敗していたということなのだがすでに3度も失敗しているため今回はさすがに成功させたい、てかこの建物普通にマンションだし住人でもない俺がずっとエレベーターに乗ってるのがバレたら普通に通報されるかもしれないので短時間で済ませないとやばいだろう。まあ頭の中はいろいろいっぱいいっぱいになってはいるのだが、この人が異世界への水先案内人だと信じて1階のボタンを押した……さてここからである、ここで本当にボタン通りに1階へ向かって下降しはじめたらこの挑戦も失敗なのである。なぜか?

それは都市伝説によるとここで異世界へ行くにはその一階へのボタンの指示を無視して10階へ上がっていくというからなのである。つまり、ここで決まる、下降か、それとも上昇か!? さあこのエレベーターはどっちに進むか……?

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