ノスモの顔

モナムール

第1話

ゴーン。ゴーン。ゴーン。

夕暮れときの和室の、薄暗い夜が忍び寄るような背筋が凍えるような恐怖にふるえおののいた。

ゴーン。ゴーン。ゴーン。

茶机、日記帳、冷蔵庫。

すべてが現実に!この瞬間に!この世界に!

ああ、美智子は目をぐるぐる回した。

おばあちゃんが背後から挨拶している。

こんにちは。

振り返るとにこやかなおばあちゃんがぽつねんと立っていた。

そんなはずは!

思考が空転する。

ゴーン。ゴーン。ゴーン。

感情が濁流のように押し寄せる。

かみさま…。真っ白な病室にかみさまはいた。毎日無視する。

ごめんなさい!

ゴーン。ゴーン。ゴーン。

ああ、そんな。

天上に蛇がとぐろを巻いていた。

私は部屋を飛び出した。

鳩が曇り空に羽ばたいた。平和の十字架が社会を押しつぶした。黄金が目の前に揺蕩っている。

背後では海は荒れ果てる。

正しさに花束を!

ラフニカ!ラフニカ!


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ノスモの顔 モナムール @gmapyon

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