第2話宮崎県


宮崎といっても、高千穂たかちほにちかい都城みやこのじょうという町は、鹿児島かごんまに近い


というかーー県はともかく、藩でいうなら薩摩さつま


そういうわけで、鹿児島のお祭りである、六月灯ろっがっどう

ここ、都城にもある


六月灯という祭りを一言で言うなら、神社でやる祭りということだろうか

「花は霧島~たばこはこくぶ~燃えて上がるはおはらはぁ桜~島、あ、よいよい

よいやさっと」

どこかで、祭りの音楽が聞こえてくる

そんな中、和風の甚兵衛を来たーー藻之花は一人歩く、、、いや

隣に5歳と10歳の子供を連れて

「おばさん、アレ食べたい」

「あれね、いいよ」

そういいながら、お店に近づく

リッパになったーーーそう思う


藻之花は心が男なのである、が、しかし男の基準から考えてみると

いかに、自分はだめなのかということも熟知している

それは、ーーーーー仕事ができない

会社を3ヶ月続けられず、バイトがつつかず、、、悪夢の25社連続落ちを経験し

東京を出た

今にして思うとよかったのかもしれないーー東京は向いてない


だって、だめ人間だもん、仕事嫌いなんだもん

「てへ」

かわいく、心の中で舌を出す、現実では汗を流しただけなのであるが



ーー「赤天狗」またの名を梅野喜兵衛


江戸時代ーーその悪辣あくらつな、仕業により幾多の文芸や作品に登場した


犯罪者の名前である

それを自らの名としている時点で何かよくない感じがする


和紙の表面に描かれた今風のキャラクターの顔それを横目に見ながら

花火を見てーー参拝する



「、、、はぁ」

ーーーー殺すーーーー殺すーーーーー殺すーーーーー殺す

「男ハ死ネ」

赤天狗は、3人の姿を見ながら。ツイッターに書き込む

「男ハ死ネ」と自分に逆らうものには鉄槌をと



あまりにも、不気味あまりにも不可解

それはおぞましくもあり、哀しくもあるーーー敵意

正当性、自分を正義だと思っている嫉妬しっと


「赤天狗」いやーーー彼女は、藻之花を苦々しくにらんだ


ーーその身に、どうしようもない敵意と取り立てて理由のない悪意を

身ににじませながら


それを一言で言うならこうなるーー過激派ツイフェミニストのなれの果て、と

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