幸せの話
幸せはどこにあるんだ
幸せはどんな形してんだ
それを想像できない奴は
幸せになれないって聞いた
想像できないって事は結局のところ
俺にはどうしようもない事じゃないか
川のように流れる人波に
一体幾つの幸せが流れているんだ
下流にいる奴にもその幸せを
掬うだけの数があるんだろうか
流しそうめんみたいだな
俺、あれ苦手なんだよなあ
うまく掴めたためしがないし
結局上流の奴が満足するまであり付けないんだ
幸せや愛を歌にしたくても
君に当てはめる君がどこにもいなくて
ただただ突っ立っているうちに
随分下までやってきたもんだなぁ
人はそれをどう名づけたか?
例えば、侘しい。
ああ、永らくだな、元気かい?
嫁さん出来たかい?子供は?
そりゃいいこった!
優しい子になると良いな
しかし懐かしいもんだ、あの頃遊んだあの公園
今はお前の子供が遊んでるんだよなぁ
なんだかそれは幸せな事だなぁ
なんて事を話せる奴がいる程俺は人を大切にしなかったなぁ
激しいほどそれを後悔してるよ
意味があるかは別にしてさ
懐かしさを歌にしたくても
景色や空気を共有できる奴がいないと
伝えるために言葉を尽くすしかなくて
ああ、薄っぺらいもんだなぁ
人はそれをどう名づけたか?
例えば、寂寞。
今んとこ俺は一人だよ
結局何者にもなれず歌ってるのさ
理屈っぽくなったのはダラダラと
一人で考えちまうからさ
それでも生きてゆかざるを得ないのさ
そして生きてる以上、なんとか幸せになりたいのさ
幸せはどこにあるんだ
探さにゃ、ならぬ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます