姫の恋する貧乏王子

ミッシェル

第1話 白馬の王子

この物語は、お金持ちで身勝手で平民に対して傲慢ごうまんな、姫様が恋するラブコメディです。


ある金持ちの家がありました。

それは家と言うよりも相応しいのはお城でした。


お父さんは大金持ちで凄い綺麗な女性と結婚していた。


その夫婦から産まれたのが主人公。


白鳥姫子しらとりひめこ」です。


傲慢ごうまんでお金使いが荒く、執事やメイドにも横柄おうへいな態度でした。こんな性格も全ては両親が娘を甘やかしまくった結果なのでした。


幼稚園、小学校、中学校、高校は全て

金持ちだらけの私立校。周りのみんなよりも

ずば抜けて金持ちでしたので、学校の中でもずっとお姫様。こんな性格になったのも

納得の理由です。


現在高校2年生で彼氏もいません。

恋をしたことはありませんでした。

姫子は自分よりお金を持ってない奴には、興味を示しません。

自分より格が下の一般庶民をバカにして、まさに一般庶民に対して偏見の塊でした。


ボーイフレンドやデートに誘う男は数知れず。

見た目も美人でお金持ちなので、 結婚出来れば逆玉の輿。


姫子は自分の価値をお金でしか見ない周りの人達に全然恋に落ちない。

自分を見て欲しかったのです。


でも、夢はあります。

白馬の王子と結婚することです。

姫子は白雪姫が大好きなので白馬の王子に憧れていました。可愛い一面です。

そんな人が居るわけがありません。


そんなある日のこと。


「 セバス! セバスはいないの? 」


姫子の怒りの警報が鳴り響く。


執事のセバスチャンは高速で姫子の元へ。セバスも姫子をどうにか誰にでも優しい、人徳や平等に満ち溢れた女性にしたいと思っているがクビにされるのが怖くて言えません。


「 お嬢様どうなさいました? 」


セバスが尋ねると、


「 この前の服と靴がダサイから、また買いに行くわよ。」


ワガママ病発動だ。


「 了解しました。

今、リムジンを用意致します。」


また高速で廊下を駆ける。


リムジンに乗り、目的の高級服屋さんに到着して沢山の服を買います。


「 はぁ~。 全然ダサいけど我慢して買うか

ぁ……」


店員さん逹は笑顔で接客する。

お金を沢山使うお客様は神様なのです。


「 良くお似合いです。お嬢様。」


姫子には当然なセリフなので、全然響きません。


「 セバス! 全部買って置いてね。」


セバスがうなずきお会計をしている間に、暇な姫子は適当にぶらぶらしに外へ出ていきました。


「 毎日つまんないわね。なんか良いことな いかな? 」


適当に歩いていたので自分が何処から来たのか分からなくなっていました。

スマホでセバスにかけようとしても、カバンをリムジンの中に忘れていた。


「 もう最悪よ。 セバスはクビね。 」


文句を言いながらもお腹が減ったので、

周りを探索していると、ちょっとした出店を見つけました。


「 安物だけどお腹減りすぎたから、ちょっ

と食べようかしら。 」


ホットドッグの匂いに誘われて、出店の前へ来ていました。


「 その下品な食べ物くれるかしら? 」


店員への態度は0点。


「 なんだとぉっ?…… 毎度あり! 少しお待 ちを。 」


店員はイライラしましたが流石、お客様は神様精神。 あっという間に完成!


「 お嬢さん300円ね。 」


すると姫は、


「 今は無いから後で執事が出しますわ。 」


店員がお金が無いのが分かると態度が豹変。まるで鬼ゴリラの表情で、


「 金がないならどっか行け。 」


姫子はびっくりしてしまいました。お父様にも怒られたことないのに、怒られたのが一般庶民のホットドッグ屋さん。

流石の姫子も鬼ゴリラの表情にびっくりして逃げてしまいました。


「 あいつ覚えておきなさいよ?

お父様に言い付けて人生終わりにさせてやる。 にしても凄い怖かったわ…… 前見たアフリカのライオンだってもっと可愛いかったわよ。」


相当怖かったのでした。


歩く人にスマホか、お金を貸してもらおうとしても、態度が悪いため誰も貸してくれませんでした。 当前の結果です。


「 そこの一般庶民。スマホかお金を貸して くれないかしら? 後でお返しするから。

あなたの給料よりも高い金でも良いですわよ? 」


鼻で笑われるだけだ。

そのとき少し分かった。自分はお金が無いだけで、誰も見向きもされない同じ人なのだと感じました。


公園で一人寂しく泣いてしまった。


「 お父様…… お母様…… 怖いよ…… 」


泣きながらも白雪姫に出てくる、白馬の

王子なんてやっぱり居ないと思っていました。


そのとき新聞配達の青年が、姫子が泣いてるのを見て自転車で近寄ってきました。


「 大丈夫かい? 困ってるなら力になるよ。」


姫子は泣きながら目の前に居る、優しくて親切な青年を見ました。

それは涙で歪んだせいなのか妄想なのか

自転車は白馬に見え、乗ってる青年は王子にしか見えませんでした。


「 王子……様……??」


何度も言いますが、彼は自転車に乗った只の新聞配達の青年です。


その出会いは姫子の人生を180°変えることになる事に……

これは姫子の貧乏な王子とのラブコメディ

なのです。

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