見えない僕は

柚希藍璃

ゼロ話

感情、感情とは一体なんなのだろうか

僕は今ペットのハムスターが亡くなってしまい酷く落ち込んでいた。

そのハムスターだけは僕のくだらない話を

聞いてくれているような気がしていて

言いきれないほどの思い出がある、

……大切な、大切な家族だった。

きっと僕の感情の色を表すのだとしたら、

ネイビーブルーだろう

深く、深く、底の見えないほどの悲しみに

僕は今包まれているのだ。

いつからだろう悲しくても涙の一粒すら流せなくなってしまったのは、

悲しいことは骨の芯まで響くように

伝わっている、

ただ、決定的な悲しみがないのだ。確かに

ハムスターは大切な家族だった、

だが……考え方を変えてみよう

そのハムスターに僕は、つまらない話を

延々と聞いてもらえる気がしてそれで愛着が湧いていたと言っても過言ではないのだ。

……所詮はそれだけの感情だったのか

【最低だな。】

そう一言呟き、ふとスマホの画面を見ると

黒い画面に反射して

涙腺が壊れたかのように泣き続けている

僕だけが映っていた。

僕の感情はなんだったのだろうか、

心情はなんだったのだろうか、

それは僕にしか分からないこと。

【貴方は自分を理解していますか?】

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見えない僕は 柚希藍璃 @hiyokomochiaiai

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