god Game.
御手洗孝
第1話
幸か不幸か。
俺は全てをクリアしてこの場所に立っていた。
自らが望んだわけではないが、そうなってしまったものはしかたがないといった諦めの気持ちで。
多数の気配はあるが姿は見えない連中に囲まれて立つそこは、ひたすら明るく、白く、清らかという雰囲気を作り出している場所。
景色が目に刺さって痛みすら覚えるほどの明るさは明らかに人工的であり、これが清らかだというのなら、ここの連中は病んでいるのではないかと思うほどだった。
呆れた風に一人で俺が佇んでいれば、騒がしさが耳に入ってくる。
鬱陶しいほどの視線と会話、なのに姿を見せない連中。
非常に不愉快極まりない空間だ。
そう、俺一人の存在がここではすべての存在を意味していた。
「では、聞こうか」
作られた胡散臭い空間の中に威圧感たっぷりの声が響き渡る。
「随分偉そうだな」
呆れ返った俺が声の質問に答えた時、この世界の全ては終わった。
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