101人BLUFF

えのき

第1話 101人BLUFFルール

20xx年。

未曾有の伝染病の蔓延により、地球全体の経済活動が止まってしまった。

さらに、第一次産業も壊滅的な被害を受け、配給制にすることもままならない。

ここで、政府は苦肉の策に出た。

国民をレベル0からレベル100までの101段階に振り分け、それに応じて配給を続ける。

レベル0にあてがわれたものは、もはや死を意味するに等しかったが、それに反対意見を唱える元気ももうなくなってしまった。

逆に言えばレベル100に振り分けられたなら、余裕で暮らしていける特権階級となるのである。

さて、どのように振り分けるか、が問題である。そこで政府が出した案が、


101人BLUFF


であった。


BLUFFというゲームは、1986年にドイツで生まれたボードゲームで世界中で楽しまれてきた。2020年に外出禁止令が世界中で発令された際、みんながこぞってボードゲームを始めたので、世界中の人がルールを知っていた。


101人でBLUFFを行い、レベルを決める。

ただし、101人用にルールを変更する。ルールは以下の通り。

ゲームの目的:なるべく長く生き残る

敗北条件:手持ちのサイコロを全部失う

ゲームの手順:

①全員で1、2、3、4、5、☆が書かれているサイコロを振り、自分だけが出目を確認する。

②親が、1、2、3、4、5、☆のいずれかと、個数を宣言する。

☆はオールマイティとして数え、全員のサイコロに、宣言された出目がその個数以上はある、という宣言を意味する。

例えば、3が25個、といったとき、親は3と☆合わせて25個以上ある、という宣言をしていることになる。☆25個といったときは、☆のみで25個以上ある、という宣言である。

③それにたいして時計回りに次の人が次のうち"二つ"のどちらかの行動をする。

A

「ブラフ」と宣言して、全員の出目を確認する。親の宣言以上の出目があれば宣言失敗となり、個数と親の宣言の差だけサイコロを失う。

親の宣言ぴったりであれば、親以外の全員がサイコロを1個失う。"ただし1個しかない場合は失わない"。

親の宣言未満の出目しかなければ宣言成功となり、親は宣言と出目の差を失う。

B

自分が親となり宣言をする。このとき、個数を保持したまま、出目の数を引き上げる

(例3が25個→4が25個)

もしくは個数を引き上げるが、☆は例外となり、

1[☆1]23[☆2]45[☆3]67[☆4]89[☆5]・・・

という順番で個数を引き上げる。

たとえば、4が6個と宣言されたあとに

☆が4個などと宣言できる。

実際4が6個と宣言されたら、

5が6個

1が7個

☆が4個

3が8個

☆が5個

などを宣言することができる。


これを最後の一人になるまで続ける。" "で挟んだところはオリジナルルールと異なるところである。


振杉ふりすぎ栄和ひろかずは、ついに恐怖の101人BLUFFに呼び出され、その会場に向かったのであった。

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