最弱と目指す世界平和!ーゴブリンでも負けません!ー

ゼロ

裏切り者

第1話  誰だ?














「これでラストだ!ラストジャッジメント!」


一時的に破滅的なパワーを繰り出せる代償


に、後でそのつけが回ってきて亡き人になる


確率もあるこの危険な技を出してしまった。


なんでこんなことになったんだろう。こんな


はずじゃなかったのに…


今は考えるな!やるしかない!


「死ねーー!!!」




3時間前………


魔王城に近い都市ノクハスでの事


「あなた達のレベルの高さならあの魔王サタ


ンもすぐにやっつけれるでしょう。」


「そんなことないですって。油断せずにまじ


で倒しに行きます。頑張ります!だよな?」


「国王、大丈夫ですよ。絶対に帰って来るこ


とを誓います」


国王に別れの言葉を告げ、勇者メンバーであ


るミーラ、ハメル、ダキアとこの俺オルディ


スで魔王サタンを討伐しにいくのである。


自分で言うのもなんだが俺たちは強い。


俺は、近距離、遠距離のどちらでも攻撃がで


きるアタッカーである。近距離も遠距離もめ


っちゃ強いってわけではなかった俺はからか


われて、それをきっかけに強くなった。


ミーラは女性でありながら2メートル以上の


斧を振り回す近距離アタッカーである。斧を


振り回す戦場とは裏腹に笑顔が眩しくて優し


い女性だ。彼女に腕相撲で勝った者はいない


という噂がある。


ハメルは味方を回復したり、相手の動きを止


めたり、邪魔したり味方に攻撃の隙を作って


くれるトラップマシーンである。彼について


はよくわからない。過去に何かあったらし


く、話しても話し返してくれることはなく、


でもなぜかいつも笑っている。


ただただ勇者だからやってるって感じがする


が、ちゃんとやってくれるいい仲間だ。




クロスは、俺たちの盾だ。最大5メートルま


で大きくなる盾を持ち、そのくせに動きが早


く、メンバーの被ダメを少なくしてくれる大


事な存在だ。勇者メンバーの中では唯一の幼


馴染だ。小さい頃から勇者に憧れてずっと二


人で頑張ってきた大事な仲間だ。お互いなり


たい職業が逆になって笑ったのを今でも覚え


ている。


「ついたぞ……」


魔王城の正門に到達した。正門だけでもとて


つもなく大きく、動かせそうもない門なのだ


が、勇者を出迎えるように重たい扉が開い


た。


サタンは弱い心に漬け込んで支配する力を持


っていると聞いたことがある。


支配されると、味方を殺しにかかるらしい。


周囲が黒い霧に覆われた気がした。


「お前の妹はな、お前のせいで死んだんだ。


あそこでの判断は間違っていたんだよ。もっ


と強くなりたいだろ?いい判断できるように


協力してあげるよ?」


頭の中でサタンが問いかける。


「俺が弱くて間違った判断をしてしまった。


その結果、妹を失った。でも、強くなるため


に人の手を借りるのは論外だ」


「こいつ!効かないな……」


サタンは驚いた声で頭の中を去っていった。


瞼をゆっくり開く。すると、他のメンバーも


目を開けている。みんな大丈夫のようだ。


「みんな大丈夫か?」


クロスの質問にみんな頷く。


「ハメル大丈夫?」 


ミーラは心配そうにハメルを覗き込むが、相


変わらず笑顔で頷くだけ。


「よし。行こう!」


一番奥の部屋に向かって進む。


「ヒッヒッヒッ」「来た来た」


第一の門では、100匹ほどのヒドラがハの字


に陣形を作り、持っている槍で無鉄砲に飛び


かかってくる。


「どうするの?」


「そんなん決まってるだろ?近距離はミーラ


の大得意分野!俺も手伝うからやろう!。ク


ロスとハメルは援護を頼む!」


順調に奥まで足を進める。


「これで最後のヒドラだ。」


「あとはサタンのみだな!」


サタンのいる部屋に入る。


「26分37分だ。ふん!今までの勇者の中でト


ップの速さだ」


「そんなことどうでもいいだろ?ミーラ、ハ


メル、クロス!やるぞ!」


そこから、サタン討伐のために動き出すので


あった。


サタンには攻撃が効いているのかわからない


が、攻撃はあたっているようだ。しかし、開


始20分でメンバーに異変が現れ始める。


「ミーラ!?どうした?」


ミーラはひざまずいている。


「体が動かないの。」


「なんでだ?クロスとハメルも大丈夫?」


クロスは、動きているがいつもより動きが遅


い。いや、何かを背負って動いているような


感じだ。


「だ、大丈夫だ、だから……」


クロスはそう呟くと倒れてしまう。


「クロス!!クソッ!ハメルは大丈夫か?」


ハメルを見ると、首を横に振って


「足、動かない。」


と一言。


でも何故か俺だけ、普通に動くのだった。

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