3日後に死を迎えるものの前に死神が現れ死を宣告するお話
遠浜州
序章
死――それは生きとし生けるものすべてが最後に迎える終着点。
今を生きるこの世界の者たちに当然死を経験した者はいない。
生き抜くことがすべての生き物の最大の目的と言ってもいいだろう。最初から死ぬために生まれてきたものはいない。
だが、遅かれ早かれすべての生き物はいずれ死を迎える。それはどんな生き物であれ平等に一度だけだ。
その最後の瞬間を告げ、見届けることを仕事とした死神が存在した。
死神は死を迎えることになった人の前にだけ現れ、三日後に死が訪れることを伝える。死を宣告されたものは必ず三日後に何らかの原因で死を迎える。
死にかたは人それぞれで、死神自身どう死ぬのかは知らない。ただ、三日後にその対象が死ぬということしかわからないのだ。
死神を目にすることができるのは、三日後に死を迎えるその当人だけ。
死を宣告された当人たちの受け取り方も実に様々で、三日間ずっと死の宣告を受け入れられず、また信じないままに死を迎えたもの。素直に受け入れ死ぬ前にやりたかったことをなして死を迎えたもの。
――人の数、いや死を迎えるすべての生命の数だけ様々な物語がある。
こうして今も私たちが普通に生活している日々に、死神に死を宣告されているものはいるのだ。
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