第2話・選出した作品について(もしくは選出しなかった作品について)
今回校正企画の作品として3作品を選んだ。
1作目は、上江村 想さんの「Merciless Nonstandard ~その少女に慈悲はいらない~」(応募にあたって非公開としているかもしれないのでリンクはあえて貼らないです。興味のある方は作者名もしくは小説名でお調べください) 割と設定がもりもりで、ライトノベルらしい展開の起伏があった。あと、言い回し(比喩表現)がお洒落。かっこよくて、読んでいて「ファッ!?」となるレベルの高さだった。
2作目は、綾束 乙さんの「夫君殺しの女狐は今度こそ平穏無事に添い遂げたい ~再婚処女と取り憑かれ青年のあやかし婚姻譚~」 文章の完成度で言うとこれが一番よかった。流麗で、商業作品と比べてもほとんど遜色ない。それぞれのキャラクターも魅力的!
3作目は、青山 忠義さんの「僕と勝気なカノジョと顔も知らない許嫁」ライトノベルらしい、巻き込まれ型のラブコメ。伏線の張り方、回収の仕方、過不足のない展開がよかった。あと、特によかったのが、ぐいぐいと引っ張るヒロイン! 勝気なツンデレスキーには特におすすめ!
……で……、選出しなかった作品について。
選考に関しての説明はしません、と明記したのであまりくわしくは書かないのだけど、気にしている人もいるかもしれないから一応。
条件外の作品は別として、応募してくれた作品の出来が悪かったということは決してない。
では、なぜ?と問われると非常に心苦しいのだけど……端的に言うと、書き方(文体)の破壊をしなければ公募としては相当苦しいだろうなということが見込まれたため。それはもちろん、編集者として口を出す範囲なんだけど……そこを指摘して、かつ校正もして1か月半で変わっていくのか、となったら……作者の中で苦しさしか残らないのではないかという思いが強くある。
繰り返すけど、作品としての出来は良かった。でも、公募で戦うことを前提とした企画の場合だと、苦しむんだろうなと思った。
・改めて、選出した作品について
作品の内容も良かったけど、何よりも参加者一人一人がものすごく情熱的で、校正を通したやり取りができて幸せだったなぁと思った。
選出した作品とそのやり取りに関しては最初から最後まで一切不愉快な思いをすることはなかった。参加者に恵まれたなぁ、ありがたいなぁと思っている。本当に、本当に幸せ。ありがとうございます。
依頼のタイミングでお待たせしてごめん!
あと、他の読者が感想付けにくかったかも? ごめん!
この校正企画は、ほかの読み合い企画とか、主催者が感想を書きます企画と違って、応募しただけだと終わらないんだよね。
応募して、校正結果をもとに改稿する……そういう苦労を書き手にかけてしまう企画なので、「これ二稿目! 改稿したから読んで!」と言ってくれるかどうかが正直言ってすごく不安だった。でも、全員が二稿目以上で、全員が前稿よりも精度が上がっていて……それがすごく嬉しかった。作者の方には感謝しています。
(あ、文体(敬体と常体)混ぜてるけど気にしないで! 気にしたら負けだから、そこ!)
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