第18話 2日目外伝 沙耶の変化

 食事の用意が終わった女性陣。

 「じゃ、あたし七瀬さん呼んでくるね」

とエプロンをはずしながら歩いていく。

 ハッとした2人も何故かついていく形に。


 「七瀬さーん。七瀬さん起きてる?」

 返事はなかった。

 (やっぱり寝てる。ほんと寝ぼすけなんだから)

とノックもせずにドアを開けそのまま入って行った。

 (勝手に入って良いのかな?)

と2人とも思ってはみたが、そのままでいるのもなんか癪だったので入っていくことにした。

 七瀬はベットの上で眠りこけていた。だらしなくTシャツがめくれて腹筋が覗いていた。

 「七瀬さーん。起きてーッ」

と沙耶は両手で七瀬の身体を揺らす。

 「うーん…あと10分……」

 (もうしょうがないなぁ、眠姫は確かキスで目が覚めるんだったよね)

 沙耶自身、何故そんな行動をとったのか分からないが、七瀬になら躊躇なく出来る気がした。


 もちろんキスを軽く考えてる訳でもないし、沙耶自分が軽い訳でもない。しかしこの時少し、「キスしたい」と思ってしまった。

 「んー♡」

 と沙耶が迫っていく瞬間、七瀬は何かを感じ目があいた。

 「ちょ…相沢さんッ…んッ!」

 七瀬が、つい体を起こしたせいで、2人の唇が重なった。

 沙耶は可笑しくてゲラゲラと笑ったが、そこに居た他の2人は何故だか面白くなかった。

 (なーんか、こんな気持ちになったの初めてかも?良くわかんないけど、なんか幸せな気持ち)

 沙耶は生まれて初めて感じたこの気持ちに困惑しながらも、その幸せな感覚に浸りたかった。

 (なんか今までの恋愛と違うような…これが本当の…?)

 今までとは違うそこに芽生えた感情。沙耶の1人で生きていくと言う決心は七瀬によってあっさり砕かれてしまった。

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