第7話 怠惰のベルフェニックスのめんどくさがり
傲慢のルシュフと嫉妬のレイディーはいつも通りこの階層でお茶会をしていたらしい、
そこに100年前魔王がやってきたそうだ。
魔王はルシュフとレイディーにニコニコと歩み寄ると、
色々な話をしてくれたそうだ。
それは地上の話であった。
そこには美味しい食べ物や、素敵な男性や、激しい戦闘が待っているのだと、
しかし2人だけではこのゴミダンジョンから出る事が出来ないとも言われたそうだ。
いつか来るであろう規格外のモンスターテイマーにテイムされる事が、ここから脱出する方法だと。
その運を掴む為に、黒いポーションを飲まされたそうで、
それから少しずつ体がおかしくなっていき、
正気を失い、この部屋でさまよい続けていたそうだ。
魔王はさらに奥地へと向かったそうだ。
「こう言う事がありましたのですわ、魔王、よくも騙してくれたわね」
「お嬢様、それは騙されていないかと、結局はその規格外のモンスターテイマーにテイムされたのですから」
「た、確かにですわ、そこは気づかなかったのですわ」
「王子さまぁ~可笑しくないですか? 憤怒のサリィーと暴食のネメはその魔王と出会ってないのが」
「そこのところはどうなんだ? サリィーとネメは」
すると小さな形の整った顎に軽く手を当てながら、
じっくりと考えているサリィーは頷くと。
「恐らく別ルートから来たのでしょう、このゴミダンジョンには沢山のルートがあるのです。あなたがやってきたゴミ捨てルート、地上ルート、闇ルート。恐らく闇ルートから来たのでしょう、魔王の1人という事はその可能性がありますのです」
「なるほどな、サリィー色々とありがとう」
この世界には魔王は複数いる。
魔王はある程度の力を持った魔族またはモンスターがなるとされる。職業みたいなものだ。
「その魔王の姿はどのような姿だったんだ?」
「んと、分からないのですわ、これは相手の事を把握する事をしなかったのではなく、まったく分からなかったのですわ」
「そうなの王子様、ルシュフを攻めないで、王子様の言いなりになるなら、魚の天ぷらだって食べるんだから」
「それは食べなくていいよ、レイディー、共食いになるからね」
「えへん」
つまりこの階層から下は普通ではないと認識していいだろう、
謎の魔王の存在、
その魔王はなぜ七つの大罪である2人をブラック化したのか、
そしてなぜ僕はブラック化を解く事が出来たのか?
色々と試行錯誤、
こういう風に考えるのは俺様より僕でいたほうが冷静沈着に物事を分析出来る事に今更気づいた。
「改めまして、今後共よろしくお願いします。傲慢のルシュフと嫉妬のレイディー」
背中に翼を生やした天空族と、
魚と人間の融合体のよう魚人族が仲間になった。
人間族のサリィーとドワーフ族のネメの2人にもましてとてつもなくどの角度から見ても美少女で、
2人を改めて観察し直した。
傲慢のルシュフは白い翼を生やしており、
水色のワンピースを着用している。
白いレイピアが右腰に装備してあり、
小さな丸い盾が左腕に備えられている。
ほっそりとした体形でありながら居乳でもある。
お嬢様のような身のこなしで、気品を感じさせる。
嫉妬のレイディーは湖や海などで泳ぐ時に使われる衣服の水着と呼ばれるようなものを着用しており、体全体は薄い青のような色をしている。
魚人なので魚のヒレとエラがあり、
水の中でも生活出来そうな雰囲気だ。
背中には杖のようで鉾のような武器を背負っており、
魚人だけど魔法使いのようだ。
水着は胸を隠しつつワンピース状態になっている水色だ。
この2人のナイスバディ―を見せられて、
男なら発情してしまうだろうけど、
なぜか僕は発情しなかった。
男性が好きだからとかそういう物ではなくて、
普通に女性として見る事が出来ない、
どちらかというと大事な家族のようにしか見えなかったのだ。
彼女達が僕にどのような気持ちを抱いているか、
それはよく分からないけど、
不思議と恋愛関係になる事があるのか?
それとも恋愛関係にならないのか?
それは分からないけど、
とにかく、今の僕は仲間を作って、
すごい事をなしとげて、
いつかあの4人の冒険者メンバーをあっと言わせる。
それが出来て、ようやくスタートポイントに立つ事が出来る。
そんな気がしているのだ。
「さて皆出発しよう」
美少女4名は大きな声で頷いてくれた。
次の扉を開いたら、なぜかそこにはフェニックスみたいな奴がおりまして、
その場の全員が凍り付いた。
そいつは眠そうに寝ていたのだから。
「ちょ、あれなに? フェニックス?」
申し訳なさそうに、憤怒のサリィーが呟いた。
「あれは怠惰のベルフェニックスよ」
「普通さ、傲慢と嫉妬の後はしばらく雑魚モンスターが続いて、またボスが出てくるが普通じゃないの? なんでボス級が連続で出てくるかな」
「そんなのあたしが知る訳ないじゃ、あたしに怒らないでよ、あたしだって怒りたいんだから」
「それはすみませんでした」
「ぐうう、焼き鳥」
「そこ、暴食のネメ、あいつも仲間にするから食うな」
「うう、お腹空いた」
「地上に出たら思う存分食わせてやる」
「それ男と女の約束?」
「もちろんだ」
さてと、僕はいつの間にか俺様に変貌を遂げていながら、
あの焼き鳥、間違った。あのフェニックスをどうするかを、
俺様は考える。
今眠っている間。どのようにしてぶっ倒すか、
そればかりを考えている。
「サリィーとネメとルシュフとレイディーは全員後ろで体育座りしてろ」
「ったく、分かったわよ」
「お腹すいたあああああ、早く地上のバイキング」
「まったく女性を待たせる事は男性として恥ずかしい事なのですからねぇ」
「王子様がんばって、かっこいい所見せて」
「ったく、任せろ」
俺様は親指を上げて、みんなに合図をする。
次の瞬間、
俺様は右から左にぶん殴られて壁にめり込んでいました。
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