第419話 待ちに待った時間は新しい神災の種
色々とあったが、別荘に着いた六人は更衣室にそれぞれ行き着替えをすませて海に行くことになった。荷卸しと言っためんどくさい作業は夜にすることにした。蓮見は残念ながら性別学情の問題で虚しくも悲しく一人で着替えていた。
だけど蓮見の心の中はなんだかんだここに来るまであり疲れていたわけだが女の子達の水着姿がようやく目の前で見れると言う事で明るく元気になり始めていた。
海。
夏と言えば定番の一つだろう。
他にも皆でワイワイするお祭り、大勢で驚かす側と驚かされる側に別れお化け屋敷、大自然の恵みを自分の足で踏みしめたり感じたりする山登りやキャンプとあげればキリがないぐらいに学生・社会人問わず皆で楽しい思い出を作る楽しいイベントが沢山ある。
そんな数ある思い出作りの一つである海も実際のところ蓮見達以外にも人がいて賑わっていた。
「わぉー」
着替えが終わった蓮見は海の砂浜へ足をつけて高鳴る胸に素直になっていた。
「水着のお姉さんいっぱいだー!」
足についた砂は太陽の熱を帯び蓮見の身体に刺激を与える。
直射日光は夏の日差しを余すことなくその肌へと降りかかり肌を黒く焼く。
その熱を和らげるように吹く潮風は涼しくも髪を蝕んでいく。
それでも人は本能に勝てない、いやこんな過酷な状況ですら楽しさが勝てば人は喜んでその地獄へとやって来ては楽しい天国へと変えてしまうのだろう。
「おっ! 美紀達が来た来た♪」
待ち合わせ場所の番傘の下、蓮見は腰を降ろして遠目に見えた美紀達に期待の眼差しを向けた。
美紀の水着はどんなものか知っていたわけだが、やっぱり直接着たのを見ると水着だけを見るのとでは全然違った。
それだけじゃなく、遠目からでもすぐにわかった。
皆えろい――ゴホッ、ゴホッとても綺麗なり可愛い。
いつもは隠されている胸元がはっきりと見えるだけでなく柔軟な肌はまさに触りたくなるような白さをもち、下半身は布が大事な所を覆っているだけで後は綺麗な肌を大胆と見せてくれる。水着自体はとてもシンプルでオレンジ色をベースに緑色や水色の水玉があり少し派手。そのためついつい視線をそちらへと誘導されてしまうなにか見えない力を感じる。
そんな超能力者かなにかに目覚めた蓮見の表情からは早くも笑みがこぼれている。
「ここは……間違いない、天国だな」
そんなことを思っていると、蓮見に気が付いた瑠香が女性陣の集団から飛び出して小走りでやってきた。
「お待たせしました~」
その言葉に反応して視線を少し下へと向ける。
「…………」
「??? あれ、もしかして変でした?」
「……いうや。。。」
戸惑う蓮見に恥じらい始める瑠香。
想定せぬ可愛さと言うべきなのだろうか。
男――蓮見は言葉に困ってしまった。
普段は年下の女の子としか見ていなかったはずなのに、、、
急に女性としての凄みを増したように見えてしまうのは、、、
水着とはお、お、おそろしい……。
こう言っては失礼だが胸は残念ながら大きくはない。
なのでそんなにドキドキはしない、と言いたいはずなのに。
可愛い幼い顔と恥じらいながらも何かを期待した笑みと眼差しを際立たせるかのようにふりふりがついた水色の水着姿は可愛いかった。
「い、いやそんなことないぞ? ……というか、普通に可愛い……」
――認めるしかなかった。
瑠香が可愛いと。
赤面しつつも「ありがとうございます」と言われた蓮見はドキッとしてしまった。
「あっ、お姉ちゃん! 私蓮見さんに褒められたよ♪」
近くまできた七瀬に嬉しそうに報告をする瑠香につられて七瀬がやってくる。
「ま、まさか、そうきたのか……」
瑠香と同じ水着姿に蓮見の瞳孔は大きくなった。
瑠香の可愛いさとはまた違う何かが蓮見の性を刺激してきたからだ。
もじもじと恥じらいながら「ど、どうかな? 似合ってるかな?」と声にした七瀬。
「……ひゃ、くてん」
少し歯切れが悪くなった。
それくらい七瀬に緊張してしまった。
「ふふっ、ありがとう。蓮見も私の中で百点だよ♪」
その一言に蓮見は嬉し涙をこぼす。
初めて女の子から直球でそれも紅潮した笑顔でそんなことを言われた。
そう思うと、嬉しくて嬉しくて。
そんな蓮見に追い打ちをかけるように、美紀、エリカ、朱音がやってくる。
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