第二十三章 神災様の新時代到来
第250話 美紀ちゃんの嫉妬
とある板が盛り上がっている頃、蓮見は美紀と過ごしていた。
時刻は夜と二人共ご飯とお風呂までを済ませ後は寝るだけの状態である。
その為、二人は平穏な時間を過ごしていた……
「ちょっと! なんで!?」
「…………」
「最近私と一緒にいてくれない理由ってエリカが原因だったの!?」
……はずなのに、怒りと嫉妬を燃料にメラメラと何かが燃えた美紀の言葉が部屋に響き渡る。
「えー、なんでって言われても……」
「なによ?」
「先に言っておくが俺は悪くない。それに一緒にいてくれない理由って俺をおいて何処かで毎日修行してたのは誰だっけ?」
蓮見は正論を述べる。
対して美紀も正論を述べる。
「なら聞くけど、どうして最近エリカと仲が良いのよ! 今までなら一章~三章程度使ってダラダラと仲良くなる過程があったのになんで今回は私すら知らない間に二人が仲良くなっているのかって話し!」
「そ、それは……」
赤みのある紫色の髪で腰下まで伸びた髪を前へと垂らし、前のめりになってくる美紀。
小柄でありながら童顔と思いきや、男を魅力する最強の武器を携えた身体を近づけてくる。お互いにパジャマで薄着と言う事が災いし、実はちょっと下着が透けて見えたり……と目の毒でしかない(ただし嫌と言う意味ではない)。
そんな女の武器を知ってか知らずか、はたまた、わざとわざとじゃないか、とよくわからない状況で蓮見の身体に少し触れてきた。
それでも一つハッキリとしたことがある。
やっぱりやわ……と蓮見の煩悩が即座に働く。
「話し聞いてる?」
「……は、はい」
「ならいいんだけど。それでなんで急に仲良くなったのか説明して!」
さらに顔を近づけて圧を掛けてくる美紀。
「もしかして怒ってる?」
「お、怒ってない!」
「本当どうしたんだ? いつもの美紀らしくないぞ?」
「う、うるさい! それで何で急に仲良くなったの?」
さっきから美紀の胸が当たり煩悩が収まらない蓮見はチラッと視線を下に向けると、本能が忠実に脳へと訴えてくる。
触っても良いか? と。
だがそんなことすれば……後が恐いのでここは我慢とひらすら自分に言い聞かせる。
「わかった。話すから少し離れないか」
「うん」
なんとか理性の勝利で終えた蓮見は一度大きく深呼吸をして脳をリセットさせる。
「簡単にいうと、ギルドで一番弱いのって俺だろ? 実力的な意味で」
「……そうね」
「そこでエリカさんに相談したんだよ。美紀や七瀬さん後は瑠香にこのままじゃ見捨てられるかもしれないと思うと不安だって」
「うん? 私蓮見の事見捨てないよ?」
「違う。やっぱり皆強いから俺だけ置いて行かれそうで怖かったんだよ」
「あ~、なるほど。そんな素振りなかったから全然気付かなかった」
「いや、あれは見せないように頑張ってただけ」
「そうだったんだ……ごめんね、気付いてあげられなくて」
「うん、別に美紀が悪いわけじゃないから。それで話し戻すけど、エリカさんに相談したら全員の度肝を抜けばなんとかなるんじゃないかって言われたんだけど、そんなのゲームの知識がない俺には正直一人じゃ荷が重たいなと考えた時だった。エリカさんが私が全面的に協力してあげるって言ってくれたんだ」
「全面的?」
「そう。スキル習得条件と効果などの情報収集から必要なアイテムの補助と全部してくれるって。最初は悪いと思って断ったんだけど、どうやらエリカさんはエリカさんでそれで得しかないからたまに貴重なアイテムが手に入って要らないときは他の店に売るんじゃなくて優先的にエリカさんの店で売却か寄付という形で譲ってくれるならwin-winの関係になるからどうかなって言われたんだよ」
「ほほーお。んで?」
(エリカのは建前なんだろうな……それ全部……)
気付けバカ! と念を込めて目を細める美紀。
ただし、美紀の瞳は隣にいる蓮見の顔だけをしっかりと見ていた。
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