第102話 私のポイント
前書き
ゲームのタイトル『YOUR FANTASY MEMORY』に変更しています。
まだ編集途中の為『YOU FANTASY MEMORY』と『YOUR FANTASY MEMORY』が混合しているところがありますが、順次編集していくのでご了承ください。
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「あぁ~、やっぱり蓮見のマッサージはさいこうだぁ~」
甘い声で美紀が声をだす。
その声を聞いた蓮見はつい嬉しくなってしまった。
「それはよかった」
「ところで蓮見はどんな女の子がタイプなの?」
美紀はさっきお風呂に入っている時に気付いたのだ。
ゲーム内で勝てないのであればエリカが干渉できないリアルで蓮見と仲良くすればいいのだと。そう思うと心に余裕が出来たのでいつものツンデレ美紀ちゃんに戻る事にした。逆にデレデレ美紀ちゃんはかなり不安になって精神的に追い込まれている時に起きると言う事にもなるわけだが今はツンデレ。
そして美紀としてはこっちの方が精神的に落ち着いていられるわけで、デレデレ美紀ちゃんになると、蓮見にはかなり効果がある行為、例えば抱き着いてしまったりキスしたりと後から自分を責めてしまう行動ばかり取るのであまりなりたくないのだ。
だがここで一つ問題がある。
こればかりはツンデレ美紀ちゃん、デレデレ美紀ちゃんは本人の意思に関係なくその時の恋心によって変化してしまう事にあるのだ。よって一言で言えば不可抗力に近い何かがそこにはあるのだ。
「髪が長くて、明るくて……後は積極的な人とかな……」
「なるほどねー。良い趣味してるじゃん」
だってそれだと私もしっかり入ってるしと心の声を隠して美紀が答える。
ただそれだとエリカも入るがと気付いた美紀は少し複雑な気持ちになってしまった。
とは言っても可能性がこれで残った事は事実なので、それはそれで良しとする。
「そうか?」
「うん」
「なぁ美紀?」
この時蓮見はある事に気が付いてしまった。
それは本来美紀がつけていなければならない物がないと。
蓮見の頭の中の常識ではそこにないといけないのだが、やはり何度触ってもそれがそこにないのだ。
最初は気のせいかと思ったが、どうやら違う気がする。
これは……夜のお誘い? と頭の中をお花畑にして蓮見が言う。
「う~ん?」
「なんで今日下着つけてないの?」
そう美紀の背中を触ってもブラジャーの紐が何処にもないのだ。
普通女性は常に下着をつけているはずなのだが……今の美紀はつけていなかったのだ。
「死ね、変態!」
美紀、真顔で言う。
蓮見の一言にため息を吐いてから、冷たい視線を送る。
「なんで男はそうゆうことばっかり気付いて肝心な所は気付かないのよ」
蓮見は美紀の女心には気づかないくせにそう言った所だけは気付くのが早かった。
これがもし蓮見ではなかったら今頃相手の男子を張り倒していたか、本気で怒っていたと思う。
それくらい美紀にとってはデリケートな質問だったのだ。
だが蓮見の前ではどうしても恋心が邪魔して中々本気で怒れないし、すぐに許してしまう自分がいた。正確には半分以上諦めているからこそ、怒る気にもなれないのだ。
「…………ゴメン」
「ほら、手は止めないで、マッサージ! 基本寝る前はブラはしないだけ」
蓮見は慌てて止めていた手を動かして質問する。
「なんで?」
「どうせ寝るだけだから胸がそこまで邪魔にならないからよ。それとつけて寝ると寝苦しいのよ」
「なるほど」
女性用の下着を付けた事がなく、動くのに邪魔になるような胸もない蓮見には何となく意味がわからなかったが、女性ならではの目に見えない苦労なのだろうと思う事にした。
それから美紀が満足した所でようやく蓮見は開放される。
「うん。ありがとう。こうやって少しずつ私のポイントを稼いでいったらもしかしたら私を落とせる日がくるかもしれないわね」
美紀は疲れ切った蓮見の顔を見てそう呟く。
「あはは~」
「あれ? 私……いつの間にか……心まで満たされてる……なんでだろ?」
すると美紀がふと呟く。
「えっと……どうゆう意味?」
全く意味がわかならない蓮見。
「いや別に気にしないで……それよりちょっとだけゲームして寝ない? 最近全然二人でゲーム出来てなかったし」
「あぁ、そうだな」
それから二人は早速ハードに電源を入れて『YOUR FANTASY MEMORY』にログインする。
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