第8話 【紅装備】GET!!


 ――――。

 ――1時間後。


「出来たわよーーーー」

「…………」


「あれ?」

 小屋の奥から返事がない蓮見を呼びに来たエリカ。

 一瞬姿が見えなかったので何処かにお出掛けしたのかなと思い、メッセージを送ろうとした時、ここからは見えない小屋の隅から物音が聞こえてきた。


 もしやと思い慌てていくとそこには剣を真剣に見て、カッコイイと言っている蓮見が居た。


「……あの紅君?」

「あっ、エリカさん。できました?」

「えぇ。って何で剣を見ているの?」

「いやこの短剣カッコイイなと思いまして」

「貴方の武器は剣じゃなくて弓よ?」

「知ってますよ。でも弓以外にも使ってみたいじゃないですか」


「…………」

 とうとうエリカが言葉を失う。


「それよりどんな感じになりました?」


「あっ……えっ……あぁ~ちょっと待ってて」

 エリカが我に返り武器と防具を小屋の奥にある工房から持ってくる。


 早速装備する。


「うん、似合ってるわ。一応言われた通り初期パラメータ以外でステータスが振り分けられるのは全部DEXとCRIに振っておいたわ」


 ステータス画面でどれくらい強くなったのかを早速確認する。


 装備


 頭【紅のヘアピン】

 体【紅の鎧】

 右手【深紅の矢】

 左手【深紅の弓】

 足【紅の脚】

 脚【紅の靴】

 装備品【紅の指輪】

    【空欄】

    【空欄】


「Hp.+24、MP+21、STR+17、VIT+37、DEX+55、AGI+17、INT+13、MND+4、CRI+55 スキルスロット3」


 つまり今のステータスと合わせるとこうなる。



 Lv.13

 Hp.69(+24)

 MP47(+21)


【STR30(+17)】

【VIX17(+37)】

【DEX55(+55)】

【AGI39(+17)】

【INT22(+13)】

【MND9(+4)】

【CRI44(+55)】




 弓は黒をベースにした深みのある赤色のラインが特徴的。

 防具は弓と同じく深みのある赤色をベースに作られており、エリカの好みなのかピンクのと赤紫色のラインが入っていた。矢は白と黒の二色でシンプルなデザイン。


 近くにあった鏡を見て、

「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!! いいぃねぇ~~~!!!」

 と大いに喜ぶ蓮見。


「ありがとうございました!!!」

 元気よくお礼を言って、早速モンスターを倒しに行くことにする。


「フフッ。面白い子ね。そんなに喜んでくれてこちらこそありがとう」


 新しい武器と防具の性能を確かめて今日は終わる事にした。

 お店を出ようと扉に手を当てた時、後ろから声が聞こえてきた。


「ちょっと待って。一応聞くけど何処に行くつもり?」

「えっと西にある魔の森って所です」

「なら奥の方には行っちゃダメよ。あそこの森の奥にはゴーレムがいてめっちゃ防御力が高いの。攻撃力が最低でも80ないと攻撃が殆ど通らないから。クリティカルヒットでもダメージは数倍にしかならない。奇跡を起こしてクリティカルヒット判定される核を正確に攻撃してもそこまで大きなダメージにならないわ。だからまだ奥には行っちゃダメよ?」

 根絶丁寧に説明してくれるエリカに一礼する。

「ありがとうございます。でも一度倒してるので多分大丈夫です!」



「えっ?」

 そんな驚くエリカを無視して蓮見はお店を出ていく。



 街を歩けば宝くじで1等を当てたプレイヤーではなく。

 今度はトッププレイヤー達だけが持っている格好いい装備をしているプレイヤーとして目立った。しかし蓮見はいつも通り人目を気にすることなく、ある事を考えながら魔の森へと足を向けた。その為、またしても周囲の視線と声には気付かなかった。


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