【生体情報】


 皆さんご存知の『特異時』に世界中の人類(全生物という説もある)の脳内に声が聞こえた。


 母国語が日本語である人々が聞いたものを、実際に文字に起こしてみたのが下記である。


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【Loading Biometric Information ...】


【Confirmation Completed】


【システム言語を『日本語』に設定】


【この設定は「言語設定変更」と、明確な意志を持って言葉を発することにより変更可能です】


【世界に『迷宮』を設置します。また、それに応じて『魔物』の生産・活動を開始します】


【全人類の能力値を数値化。「生体情報確認」と発すると『生体情報』を表示します】


【現在の対応言語は、『English英語』『中国人中国語』『русскийロシア語』『日本語』など、計23言語に対応しています】


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これらから分かるように、この瞬間から『迷宮』と『魔物』、そしてこのページで解説する『生体情報』の存在が確認された。




【生体情報のテンプレート】


生体情報


名前:《名前》

職業:《職業》

HP:《生命力》

MP:《魔力》

ATK:《攻撃力》

SPD:《素早さ》


スキル

・《スキル1》 ・《スキル2》 ・《スキル3》






【生体情報の各項目について】


[名前]

 日本では戸籍に登録されている名前がこの項目に記載されている。


[職業]

 この項目についての情報は少ないが、現在勤めている会社の職種などが記載されているとされる。


[HP]

 ゲームではお馴染みの項目だが、現実でのHPのため生命力とされている。この値が0になると「死」という状態になるのではないだろうか。


[MP]

 こちらもゲームでお馴染みのものだ。多くのゲームでは「マナポイント」の略称で魔法などを使う際に消費する値と設定されている。


後述するスキルにて魔法の存在が確認されているため、それと同様の扱いではないかと推測される。


[ATK]

 こちらはそのままの攻撃力もしくは殺傷力などではないだろうか。しかし、武器などを持っても値に変動がないため全く別のものの可能性もある。


[SPD]

 スピードの略称で素早さの値とされる。しかし、足の遅速による差異はみられないため、こちらの項目についてはよく分かっていない。


[スキル]

 現在までの情報から推測したのが以下のものだ。


・スキルの平均所持数は3つ

・これまでの経験などがスキルになっている

・全く使えないようなものから魔法や超能力のようなものまで人によって異なるスキルが存在する


 こちらのスキルというものは人に空想的な能力を付与、もしくは人体の強化をするものとされる。





【考察】

 『生体情報』の存在でいくつか疑問に思ったことなどがある。それらについての考察を残す。


[レベルの存在]

 先に記載した情報から分かるとおり、この世界の改変はゲームを参考にしているように感じられる。


 そしてゲーム、それも『生体情報』という名のステータスがあるならばレベルの存在があるはずだ。しかし、そのようなものは何を探しても見つけられない。


 恐らくだがレベルのようなものは、「今は何らかの制約により表示できない」、「レベルを確認するのは『生体情報』ではない」などだろう。


[言語]

 最初の声は英語によるものだった。これは、声の主が英語圏の存在、もしくは英語による設計――プログラミングなど――で作られていると考えられる。


 無論、この考えは少々飛躍しすぎているため真剣に受け止める必要はない。

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