拍手 022 百十八話 「奥地の魔力 二」の辺り

ネーダロス卿の隠居所、そこはオーバーテクノロジーの宝庫でもある。

「こ、これは!!」

「どうかした? 大仰に驚いて。ってか、何でキッチンにいるのさ」

「いや、お茶でも飲もうかなーって」

「頼めばいいじゃない」

「やかましいボンボンめ。そうじゃなくて、このキッチン凄くない!?」

「そう?」

「だって、水道やコンロがあるのはいいけど、オーブンもあるし冷蔵庫もあるし」

「普通の家庭でも、そのくらいあるでしょうが」

「庶民の家にキッチンなんてねーよ! ったくこのボンボンめ」

「二度も言った!」

「しかも! 食洗機まであるのよ!?」

「そりゃあるでしょうよ」

「庶民の家にキッチンなんてねーよ! ついでに言うと、普通の店でも魔力使うオーブンなんてねーよ! 食洗機なんてもっとねーよ!!!」

「ここ、誰の屋敷だと思ってるのさ。ここらへんにある魔法道具、全部あのじいさんが作ってるんだよ」

「マジか」

「しかも市場に出さないというね」

「そこは出そうよ!!」

「ほら、侯爵家の体面とかがあるんだって」

「貴族滅ぶべし!!」

「いや、それ大声で言っちゃだめなやつだから!」

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