拍手 012 2020年新年
「新年、明けましておめでとうございます」
「あけおめー!」
「セロア、略すのやめなよ」
「別にいいじゃん。あんたと私だけなんだから」
「……ま、いっか。んじゃ、去年を振り返ってみて、どうだった?」
「あー、去年ねー。個人的に結構動いた年でした。ほら、異動になったし。しかも行き先が帝都だし」
「だよねー。私も割と大きく動いた年だったなあ」
「だよねー。ユッヒを片付けたし、借金も清算したし、拠点も移したし、パーティーも組んだし」
「ねー。しかも、帝都に出て念願の転生者らしき人物と転移者を見つけたし」
「そういや、あのクイトって人は転生者でFA?」
「まだちょっとだけ保留中。転生者は例の南東の漁師町で会った奴だね。すぐに消えちゃったみたいだけど」
「ああ、例のハーレム云々言ってた憑依型って奴」
「そう、それ。あれはまあ、転生者で確定でしょう。菜々美ちゃんも、転移者で確定だし」
「この国、結構転生者いるね」
「そりゃ、あれこれ見たら、絶対いるだろって思うよね。しかも日本人が多いとみた」
「ねー。他にアメリカ人だのフランス人だのいなかったのかな?」
「いたんじゃない? どっか探せば? 痕跡があるかもよ?」
「探す?」
「いんや? 向こうがパーティー名に引っかかってくれれば、交流持つかもしれないけど」
「ああ、その為にその名前にしたんだっけ……。今更だけど、お姫様でもお殿様でもなく、なんでオダイカンサマ? あ、お奉行様でも良かったんじゃない?」
「……なんとなく? インパクトあるのはこっちかなって」
「まあ、確かにインパクトはあるわな……」
「んじゃ、過去を振り返るだけではなく、今年の抱負を一つ!」
「提出した情報共有システム構築完了を目指す! 後、ギルド内での出世!!」
「おお、現実的だね。私の方は、魔法薬と魔法道具をマスターする! そんで、個人的な移動手段を手に入れる!」
「個人的な移動手段って、何?」
「車。出来たら水陸両用車がいいなあ」
「……これ、ファンタジーだよね?」
「ファンタジーだよ? それが何か?」
「いや……何でもない」
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