ガラクタ・ロッカーズ ~くっぴーの自己紹介~

オープニングトラック

　『FUCK！！』

　夕陽の強いオレンジ色が、旧校舎のホコリにまみれた木造の廊下を明るく照らしていた。

　窓の向こうに見えるグラウンドには、野球部やサッカー部の青春に汗を流す輝かしい姿が見える。

　そんな廊下のど真ん中で、『磁石式！　描いて消して何度もお絵描き！』が売り文句の、お絵描きボードにお下劣な言葉を書き連ね、首からぶら下げた小柄な女の子が一人。

　『FUCK！！』

　女の子は、下品な言葉が書かれたお絵描きボードをバン、バンッ！　と、二度叩くとオレに向かって中指を立て、片目を閉じ、小さな舌を出してあからさまな挑発的な態度を示してくる。

　どうして見知らぬ女の子にここまで挑発的な態度を取られなければならないのか。

　十五分くらい前に遡って考えてみる……。