あて名のない手紙
朝霧 了
序
「ずっと、あなたが好きでした。」
この一文は、欠かせない。積もり積もった恋心を告げる、大切な一言だ。自然と筆圧が強くなり、じわりとインクの染みが滲む。
続けて、どうして恋に落ちたのか、どのようなところを慕っているのか、切切と綴る。
愛しいあなた。
初めてこの想いを伝えます。
見知らぬひとへ、見知らぬひとのことばを借りて、わたしは恋文を書く。
恋を知らない恋文作家のポストは、今日も依頼であふれていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます