廉然漣
1
廊下のドアが開く音がすると話し声が聞こえ、暫くして部屋に
部屋の中に見慣れない人物を見つけた
「あら、貴方が新人さん?」
二人の登場に少々驚きながら、知哉はペコリと頭を下げた。
「はい。
「私はね、ここの宿の方の常連客の
自己紹介をされたものの、一体この人たちは何だろうと一緒に食事を続けるがふと
その様子に
「なぁに、私たちが二人が気になるの? それとも私が気になるのかしら?」
色白な肌に大きな瞳、少し湿り気を帯びた唇はふっくらとして
「この人、こう見えて男だからその笑顔に騙されない方がいいよ」
「性別なんて関係ないでしょ。たまたまこの世界には雄と雌っていう性別ができちゃっていて現在に至るってだけで、もしかするとそうじゃない世界だったかもしれないじゃない? 雌雄同体とか。それに私だってたまたまそうだったってだけじゃないの」
「理屈はどうであれ貴方の場合は男が騙されて狼狽えるのを楽しんでいるでしょう。女のように見せかけて男子トイレに入ってくるだけでも驚くのに、隣に立ったかと思えば、自分についているのと同じモノが出てくるんですから誰だって驚くでしょう。なのに、驚いた人の顔をみて大爆笑するんですから性質が悪い」
「仕方ないでしょ、トイレに入ったら顔が真っ赤になるから楽しくって、あれを見せたらどうなるか見てみたくなるじゃない? で、見せてあげたらこの世の終わりみたいな顔しているんだもの。そりゃ笑うでしょ。しかもあの
吹き出すのをこらえながら笑っている
今まで見てきた女の人の中でも、飛びぬけて美人に見える
昼食を食べるのも忘れて目を丸くして見ていれば
「あら、信じられないかしら? だったら今証拠を見せてあげるわ」
その声を聞きながらも怪しげに笑った
暫しの沈黙があたりを支配したかと思えば、瞳を閉じている
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